宣伝会議賞のすすめ

国内最大の公募広告賞「宣伝会議賞」を通じて、キャッチコピーの魅力を少しでも多くの人に伝えたいと願う素人のブログ。 目標はグランプリと100万円!!そして『日本一コピーのうまい葬儀屋』を目指します。

宣伝会議賞で結果を出すには、コピーを作る力はもちろん、コピーを選ぶ力も重要です。本数制限ができてからは、より一層選ぶ力が問われるようになりました。

でも自分が作ったコピーを客観的に判断するのはとても難しく、つい親バカ状態になってどれもよく見えてきます。一番いいのは誰かに見てもらうこと。友達とか同僚とか家族とか。もしかしたら思わぬヒントをくれるかも。ただし見る人の好みやセンスにも左右されるので、逆効果になる場合も。あくまで参考程度にして、最終的には自分で決定しなければなりません。名作コピーや過去の受賞作を分析したり、「自分はこんなコピーが書きたい!!」という目標があると、ひとつの判断基準になると思います。

そもそも広告は「誰も興味がない、なくても困らない。」というマイナスの立場にあります。キャッチコピーはその名の通り全く関心のない人の心をキャッチし、興味を持ってもらうためのフックです。いいコピーには必ず「おっ!?」と思わせるような工夫があり、それがフックとして機能しています。


歴代のグランプリ受賞コピーを例に、そのフックとなる要素をいくつかあげてみます。いいコピーには理由があります。


① 短い

部長が目にしみる。

(第47回グランプリ  シービック / デオナチュレ男シリーズ)

コピーはできるだけ短くが大原則。長いとそれだけで読んですらもらえない。短いコピーは伝わるスピードも速い。映画で読める字幕は「1秒=4文字」と言われているので、最大でも12文字くらいが理想でしょうか。ただし短い言葉ですべてを伝えるのはかなり難しい。つい余計な言葉をつけたくなっちゃう。「コピーは引き算で考える」とわかっていてもなかなかうまくいきません。


② 発見・気づきがある

家は路上に放置されている。

(第46回グランプリ セコム / セコム・ホームセキュリティ)

当たり前のことをそのまま言っても誰も興味を持ちません。でもほんの少し違った視点・角度から見て、表現を工夫することで、当たり前のことでも「はっ!」とさせたり、「そういえばそうだよね」という新しい発見になります。今までにない切り口のコピーは、とにかく強い。


③ ストーリーがある。

父親の席は、花嫁から一番遠くにある。

(第42回グランプリ キヤノン販売 / キヤノン PowerShot S1IS)

そのシーンが一瞬で浮かんだり、登場人物の心情を想像できるコピーは共感しやすく心に残ります。たった一行でも喜怒哀楽に訴え、小説や映画を見た時のような感動を与えることができるのもコピーの素晴らしさだと思ます。


④ ユーモア・ひねりがある。


家に帰ると、母が倒れていた。

(第33回グランプリ 東京ガス / ガス温水床暖房システムNOOK)

パッと見は商品とは遠く見えて「ん?」となりますが、仕掛けに気付いたときには「やられた!!」と思わず感心して誰かに話したくなるコピー。センスの見せどころですが、一歩間違えると自己満足でおわる可能性も。狙いすぎたり上手いこと言った感が透けて見えるとダメです。


⑤ インパクトがある。


精子だった頃の運をもう一度。

(第38回グランプリ 宝くじ / LOTO6)

人目を引くにはとにかく目立つこと、耳に残ることが重要。とくに宣伝会議賞のような一度に何千本ものコピーが集まるコンペでは審査は数秒。実務では使えないような強い単語やフレーズが、他との差別化の大きな武器になります。ただあまり奇をてらいすぎると逆効果の場合も・・・。審査する側のセンスも問われます。


⑥ 新しい提案がある。


さらば、視聴率。こんにちわ、録画率。

(第16回グランプリ 松下電器産業 / ホームビデオマックロード55)

新発売・新製品・新装開店など、人は新しいのものが好きです。宣伝会議賞では今までにない商品やサービスが課題となることが多いので、比較的作りやすいかもしれません。もちろん昔からあるものでも、視点を変えることで「こんな使い方(考え方)もあるんだ」と興味を引くこともできます。当たり前を疑ってみることが大切です。


⑦ シズル感がある。

ずるいよ。チョコ食べてるときに、そんな話するの。

(第44回グランプリ 明治製菓 / 明治ミルクチョコレート)

肉を焼く時のジュージューいう音ことをシズル(sizzle)と言います。五感を刺激することで購買意欲を高めます。もちろん食べ物以外でも、まるで実際に体感しているようなイメージを与えることができれば、強いコピーを作ることができます。


⑧ 共感できる。


蛍光灯の暗い病院は、不安だ。

(第34回グランプリ 松下電器産業 / ナショナル蛍光灯パルック)

いわゆる「あるあるコピー」は、とてもわかりやすく伝わりやすい。自分の経験や日頃思っている心の声を形にするので、比較的作りやすい。その分他人とカブリやすくなる。あまり当たり前すぎてもダメだし、逆にニッチすぎてもダメ。「誰もが思っていたけど今まであまり言われなかったこと」をピンポントで探して、「めっちゃわかるわ~」と思わせたら勝ちです。


⑨ 常識・価値観を変える。


1番いいのは、借りないこと。

(第29回グランプリ アコム / アコムキャッシング)

企業や商品にはそれぞれにブランドイメージがあります。コピーは基本的にはそれを大切に作られますが、あえて逆説的に表現したり、既存のイメージを覆すことで、これまでにない新鮮なインパクトを与えることができます。作る側はもちろん、選ぶ側にもチャレンジ精神が必要です。


⑩ 説得力・納得感がある。

女子トイレがとっても混雑しているのは、落ちやすい口紅にも責任があると思います。
(第32回グランプリ コーセー / ヴィセ ルージュ ア レーブル)

コピーはただ単に興味を引くだけではなく、その最終目的は「商品やサービスを使ってもらうこと」です。それには普段思っている不平や不満に対する解決策を提示して、「まさにその通り!!」と納得させる必要があります。この「まさに」の部分をどうやって見つけるか?がポイントです。


⑪ ダジャレ・下ネタ・決まり文句を利用する。

朝市は、「立つ」という。
(第22回グランプリ カゴメ / KAGOME朝市)

すでに世間一般に浸透してる言葉をいじることで、話題性と流通力のあるコピーを作ることができます。うまくハマれば強力ですが、誰もが思いつきやすいのでかぶる可能性が高く、かなりのセンスを必要とする諸刃の剣です。眞木準さんのように、ダジャレをオシャレにするのは簡単なことではありません。



キャッチコピー・・・主に商品や映画、作品等の広告など、何らかの告知に用いられる文章。消費者の心を強くとらえる効果をねらった印象的な宣伝文句。


とまあ、コピーの意味や役割はいまさら説明するまでもないのですが、実際に作るとなるとこれがなかなか難しい。商品やサービスの「どこを?」「誰に?」「どうやって?」伝えるか。そのためにはどうすればいいのか?それを知らないと、どこかで見たような耳ざわりがいいだけのコピーっぽいコピーができあがる。そして「これならイケる!!」と自信満々で応募した結果・・・1次通過もできずに全滅ってのが初挑戦の鉄板コース。いや、何度やってもいまだに似たようなもんですけど。

まずは本当の意味で「キャッチコピーとは何か?」を知らなげればなりません。検索すると講座の案内やら名作コピーのまとめやらいろいろ出てきます。とりあえずコピーの基本的な考え方を学ぶ第一歩としてコピーの本を読んでみることをおすすめします。

結構たくさんあるので迷っちゃいますが、好きなコピーライターさんのものとか読みやすそうなものとか、自分の好みで選べばいいと思います。コピーライターは「人に伝えること」のプロなので、どれを選んでもわかりやすくて面白いしほとんどハズレなし。その中でも個人的なおすすめをいくつかご紹介。


◆ 広告コピーってこう書くんだ!読本 (谷山雅計 著)
こう書くんだコピーの入門書にしてバイブル的な存在。広告コピーとはどういうものか?が、難しい言葉を使わずに誰にでもわかりやすく説明されている。コピーと同じで読み手のことを第一に考えて書かれていて、とにかく読みやすい。簡単に見えてその内容はとても奥が深く、何度でも読み返す価値がある。コピー初心者から上級者まで必読です。コピーに興味を持った人には真っ先におすすめしたい一冊。


◆ 「売る」コピー39の型 (有田憲史 著)
売るコピーコピーの基本的な型を、実際に使用された広告の具体例をあげて解説してくれている。基本の型に当てめるだけで応用ができ、誰にでも即戦力コピーが書けるようになる。巻末にあるお手本コピーと添削の紹介は、どんなところがいいのか?がわかりやすくとても参考になる。コピーの基礎公式集として悩んだときは読み返したい。気軽に持ち歩けるサイズなのもうれしい。同じ著者の「売る」文章51の技は、ボディコピーを書くときにおすすめ。



◆ コピー年鑑

コピー年鑑
東京コピーライターズクラブ主催の広告賞「TCC賞」の優秀作をまとめたコピーの大図鑑。年1回発行。その時代を反映した誰もが一度は目にしたことがある広告コピーの名作が満載。見てるだけで思わずにやけたり、自然と泣けてくる。新人コピーライターさんは勉強のために「写経」したりするらしい。だだし専門書だけあって値張るのでなかなか手がでない。古いものはオークションで安く出品されることがあるので狙い目。大きな図書館なら置いてあるかも?いつか賞金がもらえたら買いたい。



◆ キャッチコピーの表現別グラフィックス
表現別2実際の広告が700点以上収録されている。タイトル通りキャッチコピーによって「顧客心理型」「企業メッセージ型」「ユーモア型」などに分類されてる。「自分もいつかこんなコピー書きたい!!」って思わせる一流のくどき文句ばかり。またグラフィックスというタイトル通り、デザインの勉強にもなる。コピー年鑑の代わりになればと思って買ったけど、これだけでも十分なボリューム。



とにかく何でもいいので試しに一冊読んでみてください。普段何気なく見ていた広告やCMがいかに計算されて作られているかがわかります。それを知ると広告が今までよりずっと面白くなるはず。

宣伝会議賞直前のこの時期は、予習復習をかねて何度も何度も読み返しています。他にもおすすめがあったら教えてください。

宣伝会議賞は「紙とペン」さえあれば誰でも挑戦できる(今はweb応募だけど・・・)。それ以外に自分の経験上「これはあったほうがいい」と思う必須?アイテムを紹介しちゃいます。


必須?アイテム① 「宣伝会議(10月号)」 課題発表号

毎年9月1日発売。課題は公式ページでも確認できるけど、やっぱりこれがないと始まらない。課題内容のチェックはもちろん、全課題に取り組むのか?それとも絞るのか?など作戦や計画を練ったりするためには欠かせない。応募期間中はどこに行くにも持ち歩くつもりで。いわゆるマイナー雑誌なので、地方の書店では扱っていない場合も。スタートダッシュを決めるためにも発売日にGETできるよう予約しておきたい。


必須?アイテム② 「宣伝会議(11月号)」 ワンポイントアドバイス掲載号

毎年10月1日発売。各課題企業のアドバイスが掲載されるが、そんなに大した内容ではないので読まなくても差し支えはない。だだしごくまれに「今さらかよ!!」と突っ込みを入れたくなるような後出し条件が出ることもある。また協賛企業賞の受賞作が「オリエンの内容そのままじゃん」なんてこともあるので、重要なヒントが隠されている可能性も。立ち読みくらいはしておいた方がいい。


必須?アイテム③ ネット環境

web応募なので当然必須。課題企業のHP・商品やサービスの内容・口コミや評判を調べたり、競合商品を検索したり、思いついたコピーを試しに検索したら、すでに同じようなのが使われててガッカリしたり。とにかく情報収集にはなくてはならない。調べものをするつもりがついついまとめサイトにハマり、気が付けば貴重な時間を無駄にして激しく後悔するのはお約束。


必須?アイテム④ 「SKAT」

宣伝会議賞の作品集。現在「SKAT.13」まで発売されている。受験の時の赤本みたいなもんで、傾向と対策をたてるには必須。過去に出題された同一課題や同系統の課題で、どんな視点や切り口があるのか?丸かぶりはないか?などチェックすることができる。明らかなパクリ作品が通過していることもあるのが玉にきず。過去の受賞作の方が近年のものよりパワーを感じるので、単純に読むだけでも面白い。初期のものは中古でしか手に入らず、ちょっぴりカビ臭かったりする。


必須?アイテム⑤ コピーの参考書

宣伝会議賞に初めて挑戦すると、「自分のイメージしていたキャッチコピー」と「実際に選ばれるキャッチコピー」には大きな違いがあることに気づかされる。何となくカッコいい文句を並べた雰囲気だけのコピーはまったく通用しない。もちろん何の知識もなくてもいいコピーが書けちゃうことだってあるかもしれないが、基本的なことは知っておいた方が進歩も早い。コピーに関する本は山ほどあるが、自分が好きなコピーライターさんの著書や読みやすそうな本を選べばいいと思う。個人的なおすすめは別の機会に紹介する予定。


必須?アイテム⑥ 管理ツール


管理ツールというと大げさだけど、ノート・メモ帳・スマホ・タブレットなどのこと。課題ごとにセールスポイントや関連ワードを書き出したり、コピーの原案やCMのアイデアを書き留めたりするために必要。初日に気合いを入れて丁寧に専用ノートを作るものの、すぐに使わなくなったりする。期間中は四六時中コピーのことを考えてるので、いつアイデアが浮かぶかわからない。お風呂だったり、トイレだったり、会議中だったり、ジョギング中だったり、とにかく即メモれるようにしておく。「あとでいいや」と油断してるとたいてい忘れる。応募した作品はたとえボツコピーでもとっておいた方がいい。次回同じ課題が出た場合さらにブラッシュアップしたり、そこから新たなヒントが生まれるかもしれない。



必須?アイテム⑦ 情熱・努力・根性・楽しむ気持ち

コピーライターとしての経験・センス・才能は、プロにはどうしたってかなわない。だったらせめて気持ちでは負けないようにしたい。素人なんだからダメでもともと、胸を借りるつもりで。それでもやるからには誰よりもいいコピーを目指して最善を尽くす。かといってあまり自分を追い込み過ぎない。自分のコピーがどこまで通用するのか?どんなすごいコピーが選ばれるのか?せっかくのお祭りなのでワクワクしながら楽しむ気持ちを忘れずに。

↑このページのトップヘ