第52回宣伝会議賞の応募総数が発表されましたね。その数、過去最高の52万3392点。うん、すごい。でもすごいけど想定の範囲内というか、48万も52万もそんなに違わないというか・・・。まあ7回目の挑戦ともなるとこの程度でいちいち驚くほどピュアではなくなったってことですかね。それにしても52回で52万って覚えやすくていいな。

ご近所に宣伝会議賞仲間でもいれば毎日飲みに行ってあれこれ語り合いたいところですが、そんな友達もいないので例によってひとりで悶々と反省会でもしてみます。今回は取り組んだ課題も少ないので、なんとか発表までに終われるかな?


【課題1 アイリックコーポレーション】  保険クリニックに行きたくなるようなコピー


初っ端の課題がよりによって保険。最初の課題は目に触れることが多いので自然と考える機会も増えるんだけど、今回は10月中旬くらいまでほとんど手をつけられなかった。理由は、天国に遅れてやってきた妻のせい。

過去にとてつもなく印象に残ってるコピーがあると、何となくそれが基準になってしまう。無理だとわかっていても、そのコピーを超えないといけない気がする。で、保険といえばまっ先に思いつくのがこれ。


天国に遅れてやってきた妻が、いきなり私にビンタした。 
(第48回グランプリ 水谷俊次さん)


自分も応募したけど、散々苦戦した挙句1次通過すらできずに玉砕。その手も足もでなかった課題で、どうやっても出てこないような衝撃のコピーがグランプリ。こんなん相手にしたら勝てるわけがない。それがトラウマというか苦手意識みたいになってて、最悪捨て課題でもいいかと保留にしたままだった。

後半になって、さすがに全体的な本数が少ないことに焦りとりあえずチャレンジ。しばらく悩むも案の定どこかの保険会社のHPにありそうなコピーしか出てこない。やっぱり無理かな?と諦めかけたとき、ようやくあること気がついた。この課題は保険そのものではなく、あくまで保険相談窓口だってこと。そんな当たり前じゃん!!って思うかもしれないけど、これって自分とってはとても重要なことだった。

自分自身、保険のことなんかまったくわからない。それどころかこの歳になっても自分がどんな保険に入っているのか?それ以前に入っているのかどうかすらもわからない。それなのに何となくイメージだけで保険あるあるばかり考えてた。でもそうじゃない。保険のことを知らない自分=保険クリニックのターゲット。だったら自分が保険に対して思ってることを素直に出せばいいんじゃないか?

そしてもうひとつ。直接かかわることが少ないし、今すぐ必要なものでもないから、気にはなるけどとりあえず放置。わからないことや知りたいことはあるけど、どこにどう相談したらいいかわからない。これってそのまま自分の仕事にも当てはまる。保険クリニックと自分の仕事は共通する部分が多い。そこに気づいてから今までよりすんなりコピーが書けるようになった。

課題の性質上、あまり奇抜な表現はできそうにないし、知名度からするとグランプリも出そうにない。あくまで独断と偏見だけど。なので自然と協賛企業賞向けのコピーを目指すことになる。基本は保険あるあるメインで。それに普段お客さんとの話でよく出るキーワードを使って考えてみた。

最終的な応募数はまさかのMAX50本。自分でもこんなにできるとは予想外。しかも勝負コピーも1本できた。シンプルすぎるくらいシンプルでインパクトはあまりないけど、保険クリニックがどんなところか誰にでもよくわかるんじゃないかと思う。やっぱり経験から生まれたコピーは自分でも納得感が違う。他のはともかく、これだけは最低1次通過して欲しいなぁ。

勝負コピーはできたけど、もっと早く取り組んでもっと早く気づいていれば、もっといいコピーができたかもしれないと思うとちょっぴり悔いが残る課題。