宣伝会議賞のすすめ

国内最大の公募広告賞「宣伝会議賞」を通じて、キャッチコピーの魅力を少しでも多くの人に伝えたいと願う素人メタボ親父のブログ。 目標はグランプリと100万円!!そして『日本一コピーのうまい葬儀屋』を目指します。

2015年06月

2015年も恐るべきスピードで過ぎ去り、気がつけばもう前半戦終了。ということは宣伝会議賞まではあとたった2ヶ月しかない。

相変わらずSKATを眺めて唸ってみたり、手持ちのコピー本を読み返してみたりはしているものの、それが果たして本当に身になっているのか?少しでも進歩に繋がっているのか?本を読んだだけでコピーが上手くなったら誰も苦労しないよなぁ・・・と思いつつも他にどうしていいのかわからない。コピー年鑑買って写経しなくちゃダメかなぁ。

当たり前だけど『書かなければ上達しない』。でも書いてもその良し悪しがわからない・・・。判断材料とちゃんとした評価が欲しくてピンクリボンやC-1グランプリにチャレンジはしてるけど、結果が出るのは当分先。ピンクリボンはいつもより本数は出したけど、あいかわらず大苦戦。C-1は毎回手ごたえを感じたつもりでも、箸にも棒にも引っかからず連戦連敗。応募本数に制限があると数撃ちゃ当たる作戦もできないし、仮に何百何千撃ったとしてもヘタな鉄砲は当たるはずもない。そもそも手持ちの武器は割り箸鉄砲に毛が生えた程度で、弾だって数えるほどしかない。

となってくると具体的なレベルアップをするにはコピー講座を受講するのが一番手っ取り早い。んだろうけど仕事柄、定期的に講座に通う時間の確保が難しい。そしてそれ以前に先立つものがない・・・。これがあと10年若くて本気でコピーライターを目指してるとか、今の仕事にまったくやりがいを感じてないとか、独身で路頭に迷っても誰にも迷惑がかからないとかだったらイチかバチかで思い切れるかもしれない。でもあくまで趣味の延長の宣伝会議賞のためにそこまでやるの?って考えると、費用対効果的に見ても厳しいのは明らか。受講すれば必ずいいコピーが書けるわけじゃないし、結局は自分の努力次第だし・・・あ~、それでもやっぱり行ってみたい!!!と悶々としているときにこんなのを発見!!

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SCC(静岡コピーライターズクラブ)主催のコピーの学校の開催告知。そう、求めていたのはこれですよ、これ。もしかして俺のために企画してくれたんじゃないの!?ってくらい絶妙なタイミング。これぞまさに、コピーの神のおぼし召し。見つけた瞬間電光石火で申し込み、先週の金曜日、第1回目を受講してきました。

同じ静岡でも端っこに住んでるので、静岡駅までは電車で2時間ちょっと。静岡会での飲み会以外で来ることはほとんどないから、駅のごくごく周辺しかわからない。案の定、地図を片手に行ったのに地下道に入ったら出口がわからずあっさり迷子に。雨の中を彷徨って何とか時間通りに到着。

手に汗をにぎりながらおそるおそる教室へ。ちらっと覗いたら面識のある方が何人かいたのでひと安心。学生さんとか若い人ばかりで浮いてたらどうしよう・・・と心配してたけど思ったよりそうでもなくてふた安心。もちろん圧倒的オッサン感は否めないけど。初回ならではの独特の緊張感に包まれて、席についても何となく落ち着かない。となりの人に気軽に話しかけたりできるはずもなく、「早く始まらないかな~」と用もないのにスマホをいじる。

そんな空気を和ませようと、講師の方が少し早目に授業開始。でも「ガンガン質問するので答えてもらいます」って言葉を聞いてさらにプレッシャー。その上「この中には宣伝会議賞でシルバーを受賞してる人もいます」と予期せぬハードル爆上げにさらにさらにプレッシャー。

まずは最も重要な「コピーとはなんぞや?」ってところからスタート。いままで散々コピー本を読んでわかったつもりになってたけど、いざ質問されると全然答えられない。的外れなコピーを自信満々で書いちゃうのは、根本的なことをちゃんと理解できてない証拠。思い当たることが多すぎて泣きたくなった。そのあとはいくつかのポイントを教えてもらい、さっそく実践練習。でも思いつくのは100人いたら100人考えそうなものばかり。普段偉そうに他人のコピーを批評してるくせに、いざとなると何にも書けやしない。

当たり前だけど、本を読むのと講義を聞くのではその浸透度は雲泥の差。今まで自分がいかになにも考えずにその場のノリと雰囲気だけで適当にコピーを作っていたかを思い知らされた。90分の授業があっという間。こんなに集中して話を聞いたのは予備校以来じゃないかなぁ。でも聞いただけで満足しないで、それを自分なりにちゃんと消化して実践しないと意味がない。

とにかく楽しくて、とてつもなく勉強になった。このあとも何回か開催されるそうなので、スケジュールが合うかぎり受講したい。で、受けた以上は次のコンペで何としても結果を残したい!!



次の宣伝会議賞まで、あと2ヶ月と半分。

今回の結果を受けてわかったことは、前回の受賞は100%、完全に、1mmも疑いようもない『まぐれ』だったってこと。まぐれじゃないことを証明したくて気合を入れて臨んだ結果、まぐれであることを証明してしまった形。

いや、もちろん自分でもうすうす気づいてはいたんだけどね。ただ普段から何のとりえもない人間が50万の中から選ばれて、あんな豪華な贈賞式に呼ばれてあれだけ色んな人からお祝いされたら、そりゃ勘違いするなって方が無理ってもんです、はい。

で案の定、メッキはあっさり剥がれ落ち、「次はイケるかも?」なんて根拠の欠片もない自信は一瞬で吹き飛びました。一丁前にショックを受けてるけど、本来の実力(実力と呼ぶのもおこがましいけど)を考えれば結果は至極当然で、むしろ2次通過に5本残ったことだって奇跡と呼ぶにふさわしい。


まぐれで、いいコピーを書き続けることはできない。 
宣伝会議 コピーライター養成講座)



まさにこれですよ、これ。もう刺さる刺さるわ、黒ひげ危機一髪なんてお話にならないレベルで刺さりまくり。心はすっかりハリネズミ状態で、お金もないのに思わず講座に申し込んでしましそうになった。あぶないあぶない。このコピー見て申し込んだ人絶対いるよね。こういうのが機能するコピーのお手本。

さて、残りわずかな時間でどうすれば今よりいいコピーが書けるようになるのか?なんてことを今さら言ってる時点できっともう手遅れ。本当に上を目指してる人は締め切り直後から次に向けてとっくに色々考えてる。それくらいしないといけないとは思っていても、やっぱりちゃんと課題が出てからでないといまいち集中できないし、どうしても中途半端になっちゃう。せいぜい「ちょっといいな」と思ったフレーズを書きとめる程度。それでもやらないよりはいいかもしれないけど。

とにかく今は何でもいいから結果が欲しい。誰かに自分のコピーを認めてほしい。跡形もなく木端微塵になった自信を少しでも取り戻したい。

そこで今挑戦してるのがご存知 【第11回 ピンクリボンデザイン大賞】

自信を取り戻すどころか、さらに追い打ちをかけられてトドメをさされそうな予感しかしないけど・・・。ここ何回かポスター部門だけだったのが、皆様からの熱い要望にお応えして?コピー部門が復活!!待ってましたよ~本当に。デザインできない自分をどれほど恨んだことか。

過去何度か挑戦して一番よかったのは1次通過者に送られてくる参加賞。
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ただこれ、どのコピーが通過したとか全体の何%くらいが通過したとか、一番知りたいことは一切書いてない。せめてどのコピーかわかれば対策もたてられるんだけどなぁ。久々にチャレンジしてみたけど、テーマがテーマだけにやっぱり難しい。しかも過去の受賞作がこれ以上ないほど名作すぎるのがツライ。


乳がんは勇気に弱い。
(第4回 最優秀賞 小野澤 真克さん)


乳がん検診で一番多く見つかるものは、安心です。
(第6回 最優秀賞 三島 邦彦さん)


シンプルで何気ない言葉だけど、上から目線でも説教くさくもなくて、ポジティブでちゃんと届いて機能する。とてもじゃないけどこのレベルは書ける気がしない。

とりあえず宣伝会議賞の特別課題で出されたと想定して「50本応募」を目標に設定。思いついたやつを片っ端から出してみた。控えを取らなかったからちゃんと数えてないけど何とか50本は超えた(と思う)。ただでさえ本数書くのが苦手なうえに、宣伝会議賞と違ってあそび球的コピーがあんまり出せなくて大苦戦。結局どうしても既視感がある無難なコピーが中心で、他の作品との差別化ができない。

それでもほんのちょっぴり手ごたえを感じたコピーが2~3本。変化球っぽいのでグランプリには届かないけど、佳作ならもしかしてもしかしたらもしかするかも・・・いや、お願いだからもしかしてくれ!!

締め切りまではまだ時間があるので、もう少し時間をかけて練ったものを作りたい。とはいうもののすでにネタ切れで、ここ何日かはまったくな~んにも思い浮かばない。ただここで「もうこれ以上ない」って諦めちゃうのがいつもの悪いクセ。受賞作を見て「これなら書けそうだったのに」なんて恥ずかしい負け惜しみはもうやめよう。とにかく最後まで足掻いて足掻いて足掻くしかない。

受賞作の発表は10月1日。ちょうど宣伝会議賞の折り返し地点。勢いをつけるためにも何としても結果を出したい!!





SKAT.14。発売遅くていつもよりテンション低めとか、それほど楽しみじゃないとか文句ばっかり言ってたけど、フタをあけて見ればやっぱりこんなに楽しい本はない。で、その楽しさの100倍悔しくて、1000倍嫉妬しながら夜な夜なベットでのたうち回ってる。

自分の結果が不甲斐ないのはもちろんだけど、「なぜこのコピーが書けなかったのか」ってのがいくつかあるのが悔しいぃぃぃ。似たような考え方をしてそこそこいいセンいってるのに、表現で負けていてあと一歩のところでたどり着けない。ブラッシュアップにもっと時間をかければもしかしてって思えるものもあったんだけどなぁ~。まあ結果論だし、完全に負け惜しみなんだけど。

そしてそれ以上に、悔しいをはるかに通り越して嫉妬するしかないものがある。名付けるなら「その発想はなかったコピー」。モノの見方や目の付けどころが根本的に違う、というかもう次元そのものがまるっきり違う。


各駅を、急行っぽくする。 (アソビズム 2次通過) 稲葉 徹さん

634mは生えてきたわけではない。 (SRGタカミヤ 2次通過) 松田 彩子さん

.jpじゃないページの緊張感。 (日本レジストリサービス 3次通過) 石塚 勢二さん

明日、聞こう。最後のひとつをくれたワケ。 (不二家 3次通過) 財前 翔太郎さん

青いクレパスがよく減る星でありますように。 
(三菱ケミカルホールディングス 3次通過) おおの さとみさん



もう、全部好き!!!なぜこれがファイナリストに残れないのかわからない。他にもたくさんあるけど、このへんが特に衝撃をうけた。とにかく「参りました」と白旗を上げるしかない。コピー講座に通って発想の幅を広げるとか引き出しを増やすとかボキャブラリーを増やすとか、そういうことで解決できる気がしない。こういう感性ってのは訓練でどうにかなるようなもんじゃないような気がする。少なくとも自分には一生書けそうにない・・・。

だだっ広い空き地がある。そして「ここで自由に遊んでいいですよ。ただし空き地からは出ないでください」と言われたとする。

大半の人はサッカーしたり、野球したり、鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり、ごくごく普通にみんなで同じことをする。もちろん自分はこのタイプ。

「バレなきゃ大丈夫」と空き地から出ようとする奴が出てくる。それを「怒られるからやめなよ」って優等生ヅラして注意しちゃうのが自分。

中には地面に穴掘って地下室作ろうとしたり、ドローンを飛ばして宇宙に行こうなんて突拍子もないことを考える奴がいる。それを内心うらやましく思って遠くから眺めてるのが自分。

う~ん、何となく思いつきで書いたけど例え話までセンスないわ~。つまり自分はいい意味でも悪い意味でも真面目で優等生。与えられた条件に対してそれ以上のことをやろうとしない。だから無難で既視感のあるコピーしか作れない・・・。

50万を超える応募がある中では、(それが機能するかどうかは一旦置いといて)、とにかく人と違う発想をして目立たなきゃ埋もれてしまう。もう何年もチャレンジしてて頭ではそれがわかったつもりで、こうしてSKATを見るたびに「今度こそ」とは思っても、いざ課題が発表されるとどうしてもその「枠」にとらわれてそこからはみ出す発想ができない。コピーってこういうもんだっていう先入観と固定概念に支配されてる。かといって無理やりはみ出させようとすると、今度は誰にも伝わらない意味不明なコピーになる。

もちろんはみ出してるからいいコピーってわけじゃないのはわかってる。けど、どうせならやっぱり誰にも思いつかないような「やられた!!」「そうきたか!!」って、たとえ受賞できなくても話題になるようなインパクトのあるコピーが作りたいのよね。

2次通過した5本、(そういえばセメダインの2次通過に載ってた「必着仕事人。」ってコピー、自分も出したんですけど・・・)ということで幻の1本もちゃっかり追加して6本。


各駅弊社


思い立ったが、即日。

プリントしている途中も、写真は楽しい。

黒霧島の日は、つまみをちょっと多めに作る。

あなたの家は、今日もたまたま無事でした。

必着仕事人。


見てのとおり半分は既存のフレーズをいじっただけの大喜利コピー。オリジナリティとは程遠い。それでも「各駅弊社。」は結構いいセンいってると思ったんだけど。残りの半分も「そんなに悪くないけど、そんなに良くもない」って中途半端でインパクトに欠ける。

でももし自分の得意な形みたいなのがあるとしたら、奇抜な発想やセンスを必要とするより、フツーっぽい中にちょっとした気づきがあるコピーの方が近いんじゃないかと思う。(といってもはるかかなただけど)だから無理にはみ出すことばかり考えないで、そっちの方向を伸ばして磨いていければいいなぁと。ただそのちょっとした気づきを見つけるためには、いろんな角度から見る発想の幅が必要なんよなぁ・・・。

結局どこまでいっても堂々巡りだ。コピーって難しい。


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