富嶽三十六プロジェクトの一環である【富嶽三十六コピーチャレンジ】に参加した話のつづき・・・
案内されて入った会議室は、イメージしていたそれよりもはるかに広い。中央にはいくつかのテーブル、そしてそれを囲むように椅子が配置され、これから始まるであろう熱く激しい論戦に臨む選ばれし若き才能が集うのを今や遅しと待ち構えていた・・・ってなにこれひどい。やっぱり又吉ってすごいんだなぁ。
「お願いします」と会釈をしてとりあえずいちばん端の席にすわる。奥では中村さんが準備をしてた。入り口で一緒になった彼はさっそく中村さんに挨拶に。こうしちゃおれんとすかさず便乗。中村さんとお会いするのは実は2度目。1度目は昨年の贈賞式。「地上波初」でシルバー獲りましたって言えばわかるかな?なんて思ったけどあえなく玉砕・・・。あの時はひとことくらいしか話せなかったからしかたないか。
開始時刻が近づくにつれ、徐々に参加者が集まってきた。各自空いてる席にすわりネームプレートをつける。(あの人、今年受賞した人だ!!)(あの人とあの人もSKATに載ってた!!)なんて心の中で大騒ぎ。何度かお会いしたことある人もいてちょっぴり安心したものの、そうそうたるメンバーに場違い感がハンパない。本当にこんなとこにいていいの?と改めて不安と緊張がおそってくる。
集まったのは17人。そのほとんどがいわゆる中村組。コピーを募集するにあたり、最初にコピー講座の受講生やOBを中心に声をかけ、その反響が大きかったので一般にも募集したとのこと。どうりでレベルが高いはずだ。応募総数は1719本。短期間の割には想像してたよりはるかに多い。その中で1次通過が149本。やっぱりここに残っただけでも奇跡に近い。この中から36本が選ばれる予定。
いよいよディレクション開始。中村さんの挨拶のあと、今回のプロジェクトが行われることになった経緯や趣旨、NPO法人の活動内容、富士山の世界遺産登録の維持にはたくさんの課題があることが説明された。
詳しくはこちら➡ いつまでも富士山を世界遺産に
そのあとひとりずつ順番に、1次通過の中からいいと思ったコピーをあげていく。事前に何本か選んでいたけど、オリエンを聞くとまた少し評価が変わってきてその場で変更。他の人の意見を聞きながら(これは鉄板だよね)とか(何でこれ誰も選ばないの?)とか(声が裏返ったらどうしよう)とか、すっかり脳内ポイズンベリー状態。結局自分のコピーには一票も入らず・・・。予想通りとはいえ、ちょっと凹む。次に中村さんが選んだ2次通過コピーを発表。もしかしたら奇跡の逆転なるか!?と淡い期待を抱くも、自分の番号はあっさり飛ばされあえなく全滅。凹みすぎて反対側に突き抜けそう・・・。
2次通過コピー+投票数上位のコピーをすべて壁に貼りだす。そして各自、その中からいいと思うものに付箋を貼っていく。
おおぉ~、これってよく見る【審査会場の様子】ってやつじゃん・・・今さらながらとちょっと感動。ここから中村さんを中心にしてみんなで意見を出し合う。
得票数の多いコピーはやっぱり誰が見ても納得のクオリティで、ほぼノータイムで採用決定。その後得票数の多いものから順番に検討していく。投票した人がどういう理由で選んだのかを説明。時には書いた本人にどういう意図でこの表現にしたのかを聞く。同じ切り口・視点・キーワード・ニュアンスのコピー並べてと比較しながら、1番いいコピーを選んでいく。
「そのコピー、ちょっとピンとこないんですけど」
「これならこっちの方が伝わるんじゃないですか?」
「ここを削って短くしたらどう?」
「でもそうすると意味が変わってきちゃうよ」
「これっていかにもコピーって感じでいやらしくない?」
「老人ホームに貼り出したら面白いかも?」
「ストレートすぎるけど、これくらい言い切った方がいいんじゃない」
「山梨と静岡ってそんなに仲悪いの?」
「この句点、いらなくない?」
コピーから受ける印象は人によって千差万別なのはわかってる。でもそれを目の前でリアルタイムで聞ける機会なんてめったにない。自分とは正反対の意見や思いもよらない提案がじゃんじゃん出てくる。とにかくアツい。「少しでもいいコピーを選ぼう」って熱意が伝わってくる。休憩するのも忘れ、議論はどんどん白熱し、時間はあっという間に過ぎていく。ちなみに休憩中に出された水は富士山のおいしい水でした。さすが電通。
残り5本くらいになると、どれも横一線でなかなか決まらなくなってきた。中村さんから「いいと思うなら1次で落選したコピーも復活OK」と自分のコピーをアピールするチャンスをもらえたけど、今さら没コピーを推せる自信もなくダンマリ。あとで「実際のプレゼンならたとえ自信なくてもチャンスがあればどんどんアピールしなきゃ勝ち取れっこない」と言われ納得。もっと貪欲にガムシャラにならないと結果はついてこない。
開始から4時間。ラストは「その手があったか!!」と誰もが納得のミラクル改変案が飛び出して、全員一致で36本目が決定。会場は達成感と一体感と拍手で包まれた。最後に選ばれた36本を作った人を発表。いいと思ったコピーのほとんどが中村さんの作品。そしてそれ以外は軒並み中村組が名を連ねてた。
その中でも1番多く採用されたコピーライターさんに「こんなに採用されるなんてスゴイですね」って声をかけたらひとこと・・・
「どうせやるなら誰よりもいいコピー書いて1番を獲らないと意味ないですから」
(ああ、これは勝てっこない)と一瞬で思い知らされた。ふだんはとっても優しくてどちらかというとボーっとしてる感じ(失礼)の方なのに、その言葉には自信と「まだまだこんなもんじゃない」って思いが溢れてた。きっとこれだけ採用されても満足なんかしてないだと思う。
あわよくば1次通過、まぐれでも何でもいいからディレクションに参加できればいいなぁって気持ちで応募して、実際この場に居られることだけで満足してしまっている自分。ハナから勝負になるわけがない。経験も実力も勝てっこないのはわかってる。だったらなおさら気持ちだけは負けちゃいけなかった。今更気づいても遅いけど。ちくしょう・・・。
それでも、この日この場に入られたことは何物にも代え難い経験で、本当に幸運だったと思う。静岡県民として微力ながらも富士山の未来に貢献できる機会を与えていただいたことに、心から感謝したい。もちろんこれっきりで終わらせることなく、自分にできることはないかを考えていきたいと思う。
中村さん、このプロジェクトの関わるスタッフの皆さん、一緒にディレクションに参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
このあと打ち上げがあるので、もう少しだけ続きます・・・
2015年07月
富嶽三十六コピーチャレンジ②
25日、ディレクション当日。コピーの学校後の飲み会を終えて帰宅したのは午前3時。とりあえずシャワーを浴びて少しでも寝ようと思ったけど、遠足前夜の小学生みたいに興奮状態。寝なきゃ寝なきゃと思うほど、かえって目がさえるさえる。しかたないのでコピーリストを見返してたら、不安で余計に眠れなくなってきた。
ディレクション後に新橋で飲むみたいだと教えてもらった。終電を考えるとやっぱり車で行くしかない。けどさすがに汐留まで往復はつらい。悩んだ末に途中の小田原から電車に乗ることにした。これなら23:30くらいまでいられる。
集合時間は12:45。まだかなり早いけど、寝落ちがこわくて家を出た。途中のコンビニでちょっと寝て、松屋で朝定食を食べて時間調整。無事に小田原に到着し電車に乗った。思ったより空いてて座ることができたので、再度コピーリストのチェック。う~ん、何度見ても自分のコピーは微妙・・・。
新橋からゆりかもめに揺られて汐留に到着。今思えばどうせ早目に出たなら朝定食なんか喰ってないで『TCC展』に行けばよかった・・・。この時はディレクションのことで頭がいっぱいで全然余裕がなかった。改札を出て徒歩1分、ついにきました天下の電通本社ビル。
メールによると、この日は休日なので「B2Fの丸亀製麺横の階段を上がって、右手にある通用口のインターホンを鳴らして、名前と所属を伝えるように」とある。ここまでくれば楽勝でしょと丸亀製麺を探す。が、これがなかなか見つからない・・・と思ったら目の前にあるじゃん!!田舎と違ってでっかい看板がついてないから気づかなかった。で、その横の階段を・・・って、これか?なんか思ってるのと違う。なんていうかこう、雑居ビルの入口みたいなのをイメージしてたんだけど。念のため他にないかとぐるっと一周したけど、やっぱりここでいいみたい。。階段を上って奥へ進むと、あったよありましたよ、それらしきデカくて重そうな扉とインターホン。ここに違いない。誰か来るんじゃないかと少し離れてしばらく張り込みするも、それらしき気配はなし。もしかしてみんなもう中にいるのかも?と意を決しておそるおそるインターホンを押す。
SE:(インターホンの音)
警備?「はい。」
俺「あの、本日こちらで行なわれる富嶽三十六コピーチャレンジのディレクションに参加する大井と申しますが・・・」
警備「えっ?なんですか?」
俺「あの、本日・・・(以下くり返し)」
警備「え?それで?」
俺「いや、あの、ここ電通さんで間違いないですよね?」
警備「そうですが、なにか?」
俺「ですから、本日・・・(以下くり返し)」
警備「ちょっとなに言ってるかわかんないんですけど!!(富澤風)」
俺「ですから・・・」
警備「もういいから、とりあえず入ってきてください!!(半ギレ)」
俺(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~)
やたらと重い扉をあけて中に入ると、すぐ横が警備員室の窓口。明らかに不審者を見るような目でこっちを見てる。再度説明するも「そんなの聞いてない」の一点張り。埒が開かないのでスマホを渡して直接メールを確認してもらう。そしたらようやく「そういえばそんな名前で会議室の予約があったような・・・」とパソコンで確認しだした。
警備「担当は?〇〇さんって人?」
俺「いえ、メールをくれたのは△△さんです」
警備「そんな名前ないけど、いいや、この〇〇さんってのに連絡するからそこで待ってて」
俺「はい」
警備「そこ、邪魔だからもっと通路の隅で」
俺「はひぃ」(電通こぇぇぇぇぇぇぇ)
せっかくできるだけ汗をかかないようにきたのに、一気に噴き出してきた。もしかしてコンペそのものが壮大なドッキリなんじゃないかと、ちょっぴり涙目・・・。ドキドキしながら待ってると、ガラス越しにインターホンを押すひとりの青年の姿が。「コピーのなんちゃら・・」って言ってる声が聞こえる。うわぁぁぁ、よかった~。ひとりじゃなかったぁぁぁ。
二人で並んで担当の人の到着を待つ。もう人見知りがどうとか言ってられない。とにかく何か話さなきゃ・・・と思い、空気も読まずに名刺をわたす。あまりにもいきなりすぎてちょっと戸惑ってたけど、話のきっかけはできた。中村さんのコピー講座に通ってた学生さんとのこと。でもいわゆる中村組とは違うらしい。
ようやく担当の方が到着。入館証を受け取り案内に従いついていく。別に普通のビルなんだけど、電通本社ってだけで何だか全部がスタイリッシュに見える。エレベーターに乗ると押されたボタンは36F。「もしかして、富嶽三十六だから36Fなんですか?」と誰もが気づきそうなことをドヤ顔で質問。すかさず『すごい!!よく気づきましたね!!』なんて大げさなリアクションでヨイショしてくれるあたり、さすが電通マン、よくわかってらっしゃる。あの警備員さんにも見習ってくれないかなぁ。
ガラス張りのエレベーターは妙にハイテンションな自分をさらに高い所へ運んでくれた。そしてそれとは正反対の閑散として無機質な廊下を歩き、いよいよディレクションの行われる会議室に到着。
まさか会場にたどり着くだけで②が終わってしまうとは・・・
富嶽三十六コピーチャレンジ①
時間は少しさかのぼり、静岡すすめ会の翌々日。飲み会に参加してくれた方から「こんなのあるけどチャレンジしませんか?」とのお誘いが。
富嶽三十六プロジェクトの一環である【富嶽三十六コピーチャレンジ】
富士山は世界遺産に認定されたけれど、その価値を未来に残すためには人の力と保全しつづける資金が必要。富士山が世界遺産であるために、人々の気持ちを動かすコピー、もっと多くの人が寄付してくれるキッカケとなるコピーを募集。富嶽三十六景にちなんで36本のコピーを決めるというもの。
コピーを応募するには寄付が必要(1口1,000円で25本まで。50本なら2口)で、締め切りは7月18日。締め切りまで4日くらいしかないからかなり厳しい。でも富士山のお膝元の静岡県民がやらなくて誰がやる!?しかもしかも、優秀作を作った人は7月25日電通本社ビルで、あの中村禎さんが行う『最終コピーディレクション会』に招待されるとのこと。早速静岡会のメンバーと挑戦することに。
いざ考え出すと思ったよりはるかに難しい。そもそも静岡県民にとっては富士山なんて当たり前にある山で、正直それほどありがたみを感じてない(俺だけか?)。近いしいつでも行ける気がするから、登ったこともないし。ネットで調べると有名なゴミ問題以外にもいろいろ課題があるのはわかった。けど、それをうまく伝えて寄付に繋がるようなコピーがなかなかできない。
作るコピーのどれもが「今さら当たり前のことしか言ってないじゃん」って感じで全然ピンとこない。それでも締め切りギリギリまで悩んで、どうにかこうにか50本応募。勝負コピーと呼べるものもなく、手ごたえはまったくなし。もし万が一ディレクションに招待されてもどのみち仕事で行けないし。まあ参加することに意義があるってことで良しとしよう・・・と、この時点で全滅を確信して早速言い訳開始。
ところが締め切りから3日後、まさかまさかの1次通過のメールが。本当にまったく期待してなかったのでめちゃくちゃ驚いた。そしてなんと!!ディレクションに参加できるとのこと。うひょ~!!!と小躍りしながら妻にメールを見せて自画自賛。でも、一瞬で我に返る。そういえば仕事休めないんだった・・・。メールには出欠の可否を明日までにするようにと書いてあった。
24日はコピーの学校があって休みをとってるから今から連休は難しい。25日はお客さんとの約束があるうえに、夜間の当番もある。1件だけどすでに仕事も入ってる。仕方ない、今回は諦めるしかない・・・と何度も自分に言い聞かせる。でも、でもさ、あの電通だぜ電通。今後の人生で間違いなく行くことはない広告業界の聖地。それも業界無関係のずぶの素人がそこでディレクションに参加できるなんてどう考えても奇跡。近いうちにとてつもない不幸がおとづれるんじゃないかと。だったらなおさらここで何としても行っておかないと、あとで一生後悔する。とにかくあらゆる手段を使ってギリギリまで行ける方法を考えよう。全然寝付けずに朝までシミュレーションをくり返す。
次の日会社に行ってまずお客さんに電話。約束の日をずらしてもらう。第一段階クリア。次は25日に休みを入れている同僚と交渉開始。ここが一番ハードルが高い。土曜日だから家族との予定も入っているし、当然嫌がられる。けど、今回だけはどうしても引き下がれない。このチャンスがどれだけ大事かを涙ながらに力説。いやさすがに泣きはしないけど。休みを譲る代わりに白紙の小切手を渡して「好きな金額を書いて」と言いたいところだけど、そんな財力ないので吉野家のうな重三枚盛(1,650円)を提示。さらに今後もし急用があったら電光石火で休みを譲ることを条件に、ほとんど力づくで交渉成立!!夜の当番は二枚盛で若手社員に交代してもらった。これで仕事さえ増えなければ行ける可能性が出てきた。早速「出席します」と返事を出す。
「来週から死ぬ気で働くのでどうか誰も亡くなりませんように・・・。」
神様ありがとう!!必死の願いが通じたのか静かな夜が続き、無事に休めることに。いざ行けるとなるとめちゃくちゃ緊張してきた。ネットで何度も電車の時間と行き方を確認したり、服装は普段着でいいのかなんて田舎もん丸出しの質問したり、とにかく落ち着かない。さらにプレッシャーを与えてくれたのが、1次通過した149本のコピーのリスト。当日いいと思うものを発表できるようにと事前に送られてきた。
自分はまたしてもまさかまさかの3本通過。「いやいやいやいや、もしかしてこれってちょっと凄いんじゃない!?」と一瞬調子に乗ったけど、他のコピーのレベルの高さを見て一気に凹む。「そうそう、こういうこと言いたかったんだよ」ってのがたっくさん。この中でなぜ自分のコピーが通過したかのか?正直まったくわからない。こんなんで本当にディレクションに参加していいのか・・・。急に不安になってきた。
コピーの学校 2回目
まずは24日の金曜日。コピーの学校の2回目の講義。1ヶ月に1度なので待ち遠しくてしょうがない。特に今回は講義の後に親睦会という名の飲み会があるとのこと。待ってましたよ、この時を!!出欠確認のメールにも電光石火で返信。案の定一番のりだったみたい。1回目のときは他の参加者に話しかけられるような空気も勇気もなかったから、新たなコピー仲間を作る絶好のチャンス!!
けど問題は時間と移動手段。講座が終わるのが8時。電車だと9時には帰らないと終電に間に合わないから論外。次の日休みなら始発まで漫喫でもいいけど仕事だし、始発で帰って仕事に行くのはさすがにツライ。となると車で行くしかない。飲めないうえに2時間以上かかるのは厳しいけど仕方ない。静岡無駄に横長すぎる・・・。
2回目の講義は『コピーの発想法』がメイン。どういうプロセスをたどればアイデアをジャンプさせることができるかをわかりやすく説明してくれた。ひとつの課題をじっくり掘り下げることができて、本数も出せる。ひらめき頼みの行き当たりばったりですぐにネタ切れになってしまう自分にとっては、めちゃくちゃためになった。ただ宣伝会議賞みたいに課題数が多いと、ひとつひとつにこれだけの時間をかけて考えるのは難しいかもしれない。広く浅くではなく、狭く深く。今年はさらに課題を絞ってやり方をかえてみようなぁ~。
講義後はおまちかねの飲み会へ。参加者はSCCの方も含めて20人弱。乾杯のあととりあえず同じテーブルの人に名刺を渡してご挨拶。隣は50代の会社員さん。自分より年上の人が受講してると思わなかったからちょっとびっくり。写真で賞を獲ったり、仕事でドローンを飛ばしてるらしい。で、コピーにも興味があって受講してるとのこと。やっぱりいろんなことに興味を持って挑戦してる人はアクティブで若々しい。あとの2人は学生さん。ひとりは静岡会にも参加してくれたことがある。会うのは久々だったけど話しやすくて助かった。今は名古屋のコピーライター講座に通ってて、コピーライター目指して絶賛就活中とのこと。もうひとりも同じく就活中。若手イケメン枠で静岡会のメンバーとして勧誘しといた。
この勢いで他のテーブルにも突撃する機会を伺うものの、それぞれに盛り上がっててなかなかタイミングが掴めない。基本人見知りの豆腐メンタ。トークスキルもあるわけじゃないので網の上で焦げていくあやしい肉を眺めながらウーロン茶をすする。時間は刻一刻と過ぎていき気づけば店員さんから「飲み物ラストオーダーです」の声。
「いやいやこのままじゃいかん!!」と意を決して突入。いきなり女の子多めのテーブルに行くと怪しいオッサンと思われるんじゃないか・・・とかいろんなこと考えながら、とりあえず名刺を配ることにはなんとか成功。ただそこから会話が繋がらない。いつもなら「宣伝会議賞のブログやってます」って言えば、「それ見たことあります」とか何らかのリアクションがあるんだけど、「宣伝会議賞ってなに?」的な感じがほとんど。
おいおいおいおい!!宣伝会議賞!!どんだけ知名度低いのよ・・・。少なくともここにいるのは普通の人よりコピーに興味のある人達のはずですよ。それなのに宣伝会議賞を知らないとか、『52年の歴史を持つ国内最大の公募広告賞』の名が泣くよ。これじゃあ「シルバー受賞」って俺の唯一の自慢が通用しないじゃん。
とはいってもいつまでも過去の栄光にすがってられないので、まずは【しずおかコピー大賞】を受賞して、あのオッサンやるな!と思わせることにしよう。SCCにも「会場も広くて立派になったから今年こそ授賞式来てよ」ってプレッシャーもかけられちゃったし。コピーの学校に通った以上、何としても結果を出さないと。
もちろん名刺配るだけじゃなくて、いろいろとためになる話もきいてきた。どんな課題でも一定水準以上のレベルのコピーを書くためには、日頃から知識や情報のインプットが必要不可欠。プロの方も毎日必ずそういう時間を作っている。その積み重ねがクライアントの意向をいち早く理解したり、それ以上の新たな提案を生み出す力になる。特にな~んにも考えずにやってる自分は耳が痛い・・・。プロの方とこうやって接することができるのは本当にとってもありがたい。
飲み会が終わったのは12時近く。本当にめちゃくちゃ楽しかった。気分的にはこのまま朝までいたいくらいなんだけど、運転して帰らなきゃならないんだよなぁ~。また次も飲み会あるのかな?できれば全部出席したい。
次の講座が楽しみです。
静岡すすめ会
宣伝会議賞の反省会&次回への決起集会?的なちょっと大げさな名目だけど、ピンクリボンも終わってこれといったコンペもないし、ひとりで悶々としててもコピーが上手くなるわけでもないし、単純にパアッと飲みたいなぁなんて思いつきでみんなを誘ってみました。
メンバーは自分を含めて9人。普段は全然連絡とらなくて、未だにお互いに何やってるかわからなかったりする人もいるけど、声をかければふたつ返事で集まってくれちゃう。しかも山梨や神奈川からも参加してくれる人がいて。この歳になってそういう仲間ができるってのは、とてつもなくうれしい!!今までラインは妻とのやり取りしかしてなかったんだけど、ライングループまで作ってもらいました。
もうすっかりおなじみのメンツなので、変に緊張することもなく乾杯してスタート。自己紹介も名刺交換も必要ないから場があったまるのが早い。前半は宣伝会議賞の話題一色。「グランプリは絶対こっちでしょ!!」と個人的な見解を炸裂させたり、受賞作をあーでもないこーでもないと褒めたりけなしたり、自分のコピーがいかに素晴らしいか力説するものの、あっさりダメ出しされたり・・・。普段宣伝会議賞のことなんて話せる相手がいないから、ここぞとばかりに言いたい放題。こういう時間があるのってやっぱりいいね。
後半は静岡会では恒例の『即興コピーバトル』。制限時間5分。各自がお題に対するコピーを書いて多数決でベストコピーを決定。優勝者には称賛のまなざしとささやかな賞品を進呈。賞品はメンバーがクオカードやお菓子を提供してくれました。ありがとうございます。
お題は、「スポーツがしたくなるコピー」や「海水浴に行きたくなるコピー」や「ビアガーデンに行きたくなるコピー」みたいなシンプルで王道のものから、「献血に行きたくなるコピー」や「小学校の奨学金制度を広めるコピー」や「新国立競技場建設を思いとどまらせるコピー」、「いじめ問題で叩かれてる先生を擁護するコピー」とか時事問題まで取り入れた真面目でお堅いものまで多種多様。どんなお題を出すかでもセンスが問われたりするので、意外とプレッシャーだったりして。
5分なんてあっという間なので、必要なのは瞬発力。はし袋にキーワードをいくつも書いたり、スマホで調べてギリギリまで粘る人もいれば、ひらめき一発で30秒もかからない人もいて、取り組み方ひとつとっても人それぞれで全然違う。で、出てくるコピーも短時間で考えた割にはカブリが少ない。自分が思いもよらない切り口もたくさんあってとっても勉強になる。お題によって難易度が全然違うしライバルが目の前にいるから、ひとりでイメージトレーニングするよりはるかに実践的で、コピー脳が鍛えられてる気がする。
どうみてもこれしかないだろ!!って自信満々のコピーに一票も入らずにひっそりショックを受けたり、逆に苦し紛れに出したコピーが意外と好評だったり。その場ですぐに反応がわかるのがいい。自分以外のどのコピーに一票入れるか悩むのも楽しい。好みは本当に千差万別で、改めてコピーの審査は難しいと実感した。
2次会でもほとんどがコピーバトル。トータル20回以上やったのに、時間さえ許せばまだまだ続けたかったくらい盛り上がった。勝利数的には何とか上位に食い込んで、主催者としてのメンツはかろうじて保てた。でも、満場一致で誰もが認める突き抜けたコピーが書けなかったし、もっと短くてインパクトのあるコピーが書けたお題もあったのに!!と帰ってから反省・・・。遊びとはいえみんなを唸らせるようなコピーを書きたかった。次やるときは、全課題の中からベストコピーを決めようかな?その方が燃えるでしょ。2次会後は朝帰り組の3人でカラオケボックスで始発待ち。もちろん歌なんて歌うはずもなくひたすらコピー談義。1次会から解散までほぼ丸々12時間、コピー三昧の最高の一日でした。
めぼしいコンペもなくてひとりで何していいかわからなかったけど、みんなからかなりの刺激をもらってココロも満タンになった。しばらくは前向きに頑張れそうな気がする。宣伝会議賞はもちろんだけど、しずおかコピー大賞もある。当然、全員ぶっ倒しててっぺん目指します。次に集まるのは反省会じゃなくて、祝勝会にしないとね。