宣伝会議賞のすすめ

国内最大の公募広告賞「宣伝会議賞」を通じて、キャッチコピーの魅力を少しでも多くの人に伝えたいと願う素人メタボ親父のブログ。 目標はグランプリと100万円!!そして『日本一コピーのうまい葬儀屋』を目指します。

2017年03月


気づけば3月もおわりですね。その割にクソ寒い。おかげで仕事が忙しく、そのうえゼルダで超忙しいので更新が遅くなりました。



第54回宣伝会議賞が、その幕を降ろしました。402986点の頂点、栄えあるグランプリは・・・



子どもが苦手なものは一度揚げてみる。 平山瑞帆さん


日清オイリオグループ / 日清オイリオの食用油を使って、揚げ物をつくって、おいしく食べて、元気になる!そんなキャッチフレーズ


いやぁ~、共感もできるし愛情も感じられるし商品イメージにもマッチしてるしで、文句なしの素晴らしいコピー。予想ははずしちゃいましたが一応コピーゴールドには推してたので、ほぼほぼ当たりってことにしときましょう。それにしても予想が的中したのはCMゴールドとシルバー7本中たったの3本。まさか眞木準賞まではずすとは、見る目がないにも程がある。予想されたら受賞できないデスブログとか呼ばれてそう・・・。


グランプリを見て自分の応募作を見直したらこんなのが。



たまねぎが大嫌いな息子の大好物はオニオンリング。


ほら、なんていうか、まあ全然違うっちゃ~違うんだけど、何となくこう、言わんとしてることの方向性は似てるというか、そんなに大きく的ははずしてないじゃないかな~なんて思ったりしたりしてなんかゴメンナサイ

似たような切り口でも表現の仕方でその差は歴然。嫌いと好きの対比ありきで無理やり作ったコピーと、実感を元に素直に表現したコピー。どっちが強いかなんて言うまでもない。仲畑さんが総評でおっしゃってたように、今回はちゃんと「地に足がついた」ものが多かった。一見地味だけどちゃんと本質を見極めた機能するコピー。それでいて誰もが書けそうで書けないものばかり。

自分のは「なんとかこの商品を売りたい」ってことより「賞を獲りたい」って気持ちの方が大きくて、「センスあるね」って誰かに褒められたくて書いてるから、独りよがりの浮足立ったコピーになってる。と結果を見てからなら何とでも言えるんだけど、応募期間中は「上手いこと言えた!!」とついつい調子に乗ってしまう。もう何年も応募してるのに、毎年同じ過ちのくり返し。まったく父ちゃん情けなくて涙がでらぁ。

今年から始まった中高生部門。初回なので応募数は思ったより多くなかったけど、どれも勢いがあって新鮮だった。コピーの文法にとらわれずに、まさに今回のキャッチコピー『ジブンだけの言葉。ジブンだけの自由。』にふさわしい作品ばかりだった

息子が中学生なので、名前を借りて応募しようかと思ったけど出さなくてよかった~。まったく勝てる気がしないもん。コピーはこういうもんだって変な先入観がない分粗削りだけど素直でまっすぐ。そして余計な計算や打算がない。中途半端な知識で頭でっかちになってる自分には、もう一生書けそうにない

とはいえ、ないものねだりで嘆いてばかりいても仕方ない。センスや語彙力は圧倒的に足りないくせに、余計な知識と雑念だけはあり余ってる。それでも持ってるカードで何とか戦っていけるようにしないと・・・。

とりあえずSKATは予約した。傾向と対策にとらわれるなってのは重々承知。それでもコピーの面白さを教えてくれたのはSKATだし、間違いなく宣伝会議賞のバイブル。そういえば前回のはほとんど目を通さなかったなぁ。今回はガッツリ読み込もう。

そしてもう1冊、間違いなくコピーのバイブルになる本が出た。もちろん速攻買って速攻読んだ。



中村禎さんの著書


『最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法』KIMG0006








すでにコピーライターさんをはじめいろいろな方が書評を書かれているようなので何番煎じになるかわからないけど、一言で言うととっても大切なことがとってもわかりやすく書いてある。もうね、ズバズバ刺さる言葉のオンパレードですよ。思い当たるフシがありすぎて、自分のために書いてくれたんじゃないかって思っちゃうそのひとつひとつがヒントと勇気をくれる。コピーのテクニック云々以前に、どれだけ相手のことに思いやることができるか?という当たり前だけどついつい忘れがちな人としての根っこの部分の大切さを再認識させられました。

だからこそコピーライター志望の方だけでなくサービス業全般、それ以外の業種の方が読んでも絶対にためになると思う。中村さんとは2回ほどお会いする機会に恵まれましたが、とにかく優しくてとにかく熱い方でした。この本にはそんな中村さんの人柄そのものが表れている。で、藤色が上品でとってもキレイ。

本当にものすごくわかりやすいので、読んだだけでいいコピーが書けるような気になっちゃいます。でも、ライバルたちも当然読んでるわけで。何度も何度もくり返し読み返し自分の中に落とし込んで、それを実践できないと本当のレブルアップにはつながらない。次回に向けて何をしたらいいか迷っていたけど、ひとつの道しるべができました。とにかく後悔しないよう、チカラを出します。






先日公式ページにて、第54回宣伝会議賞 ファイナリスト23作品が発表されました。いよいよ明日の贈賞式で40万2986点の頂点が決まります。

今年も例によってグランプリ&各賞の予想をしてみたいと思います。本当はファイナリスト発表後すぐにやるつもりだったのですが、ゼルダの伝説があまりにも面白くて面白くて・・・。すっかり遅くなってしまいました。

まず誰もが思ったでしょうが、CMが多い!!まさか半分以上がCM作品とは・・・。もしかしたら2年連続でCMがグランプリを獲る可能性もあるかも?次回はCMもチャレンジしてみようかな。

全体的にはインパクトよりも機能性を重視して選んでいるのかなぁって印象。よく言えば実用的、悪く言えば小さくまとまりすぎてる。こんなこと言うと負け惜しみにしか聞こえないだろうけど、突き刺さるような衝撃を与えてくれる作品が年々減ってきてる気がする。じゃあお前が書けよって言われてもムリなんだけど・・・・。

実際の広告と同じで、パッと見でどれだけ印象・記憶に残ったかその商品やサービスを使いたくなったかを重視して各賞を予想しました。3次通過者と照らし合わせると誰の作品かがわかるものもあるけど、今回も知り合い補正なしの独断と偏見で。



【グランプリ】


うちの旦那はまだ食べたことがないと思っています。(52歳 主婦)



アサヒグループ食品 / フリーズドライ食品を一度買ってみたくなるようなコピー


こういうのは普通グランプリを最後に発表するのが定石なんだろうけど、もったいぶらずにいきなり出しちゃいました。個人的にはこれがダントツ!!見た瞬間に「やられた」と思いました。「インスタントなのにおいしい」ってど真ん中の切り口を、視点を変えることで切れ味の鋭い変化球にしてる。真似できそうで真似できない。いつもはあんまり好きじゃないんだけど、(52歳 主婦)の設定も効いてる。まさか本当に52歳主婦じゃないよね!?実はこっそり手抜きをしてる=誰でも簡単に作れることがアピールできてるし、ギリギリ嘘っぽくなくて実際にありそうな絶妙なライン。ユーモアを交えながら、商品特性をしっかり訴求できていて文句なしのグランプリではないかと。



【コピーゴールド】


子どもが苦手なものは一度揚げてみる。

日清オイリオグループ / 日清オイリオの食用油を使って、揚げ物をつくって、おいしく食べて、元気になる!そんなキャッチフレーズ。


ニチバンの わが家の管理体制は、お店なら不祥事だ。 とどちらにしようかかなり迷ったより大きな視点で書かれていること、自分も同じ狙いで考えたけどこれほどストレートに表現できなかったので、こちらに軍配。実際うちの子供たちもフライにすると食べられるようになるものがあるから共感できる。子供の好き嫌いを少しでもなくしたいと願う母親の優しさも感じられて、商品のイメージアップにつながっている。



【CMゴールド】



「鮮度実感」篇(ラジオCM)

男「きれいな顔してるだろ、死んでるんだぜ。」
女「ウソでしょ...。」
NA「生きてるみたいに鮮度がいい。福島工業の冷蔵庫。」

 

元ネタ(タッチ)を知らない人にはそこまでインパクトはないかもしれない。けど、CMの中では素直に一番面白いと思った。生鮮食品を扱う冷蔵庫に、ある意味マイナスイメージの「死んでるんだぜ」ってのワードを持ってこれるセンスと勇気に脱帽。短くてシンプル、それでいて印象に残る。うまいなぁ~。



【眞木準賞】



おれホイホイ。

Yogibo Japan / 日本の皆さんがYogiboに座りたい、欲しいと思うアイデア


これは解説いらないでしょ。見るからにこれしかないもん。確かに上手いし、書けって言われても絶対書けないけど、なんでだろう・・・そこまで印象に残らないんだよなぁ



【シルバー】 7点


仕事から帰ってすぐに料理の仕度なんて、
残業みたいなものです。


アサヒグループ食品 / フリーズドライ食品を一度買ってみたくなるようなコピー



見えないものは、かくせない。

エステー / シャルダンの魅力を表現するコピー



「きょうだい」篇(ラジオCM)

エステー / シャルダンの魅力を表現するコピー



「100周年」篇(テレビCM)

霧島酒造 / 100周年を迎え、新たなスタートに立った霧島酒造を表すコピー




「コンビニにて」篇(ラジオCM)

クレディセゾン / 生活をするうえでの支払いを100%カード払いにしたくなる!しなくては!と思わせるような広告アイデア



「宅飲み」篇(テレビCM)

テンピュール・シーリー・ジャパン / テンピュールのマットレスで寝ないと、人生損をすると思わせるアイデア


わが家の管理体制は、お店なら不祥事だ。

ニチバン / もっとたくさんの人が「ワザアリテープ」を使いたくなるような広告アイデア


この辺はもう甲乙つけがたいというか、好みの問題よね。個人的にはコピー派?(ただCMが作れないだけ)だからコピーにもっと頑張って欲しかったんだけど、今回はCMの方が全体的にクオリティが高かったと思う。


さて、今回も偉そうに批評して予想して見ましたが、今まで当たったことないのよね・・・。選ばれてしまった皆さん、ゴメンなさい。そして選ばれなかった皆さん期待してもいいかもしれませんよ。いずれにしてもここまで残るということは本当に本当に本当に凄いことであって、仮に受賞を逃したとしても素晴らしい作品であることに変わりはありません。なんて所詮ひとごとなんで適当に言ってますが、やっぱり結果がすべてだし、今回どこで贈賞式やるのか知りませんけど、わざわざ出向く以上手ぶらでノコノコ帰れませんよね。

贈賞式に行く気マンマンだったので、明日は休み。本当は誰かと飲みたい気分なのですが相手もいないので仕方ない、ゼルダの伝説の合間にネット中継で皆さんの雄姿を嫉妬と羨望のまなざしで歯ぎしりしながら見ることにします。いいな~贈賞式。本当に心の底からうらやましい!!今ごろそわそわしてるんだろうな~。

もしブログを見てくださっている方がいたら、悪口でも何でもいいので話題にしていただけるとうれしいです。最終的な結果が出たら、またボロクソ言わせていただきますけど、負け犬の遠吠えですので大目に見てください。

贈賞式、楽しんできてくださいね。来年は必ずそこに行きます!!!



3月1日、第54回宣伝会議賞 2次・3次通過者&協賛企業賞 が発表されました。

4日ほど前からインフルで寝込んでいましたが、完全装備でなんとか本屋まで往復。贈賞式に行けない以上、せめて少しでも多く2次以上に・・・と願いを込めましたが、結果は2次通過1本のみ前回を下回る大惨敗です

1次通過は19本と、本数こそ平凡ながら平均を大きく上回る自己最高の通過率。これはもしかするともしかするかも?なんて淡い期待を抱いていましたが何の音沙汰もなく贈賞式の夢は消え、さらに追い打ちをかけるように根拠のない自信をこなごなに砕かれました

昨年ピンクリボンでまさかのグランプリを受賞し、年末のしずおかコピー大賞でも初受賞。まちがいなく、勢いと運だけはかつてないほど持っていたはず。でも、ただそれだけ。それに胡坐をかいてがむしゃらさや必死さが圧倒的に足りていませんでした。「今回はしずおかコピーメインだから・・・」と再三口にしていたのは、あらかじめこうなったときの言い訳を用意していただけでした・・・。

本気で取り組んでない者には本気で悔しがる資格なんてないはずなのに、それでもやっぱり悔しくて昨日は眠れませんでした。協賛企業賞受賞者には知ってる人が何人かいて、3次通過を見る限りファイナリストにもいるはず。うれしい反面、そこに自分の名前がないことに、どんどん広がっていく力の差に絶望するばかり。もう2度と贈賞式に行ける気がしない・・・

でも、どうしても諦められない自分がいる。いつも言い訳ばっかりで毎回毎回「次こそ本気出す」って繰り返してはこうして反省してばかりだけど、まだまだこんなもんじゃないって思ってる自分がいる。たぶん他のことならとっくに投げ出してる。ヘタクソでも結果が出なくてもやっぱりコピーが好きだって気持ちは変わらないし、やっぱり誰よりもいいコピーが書きたい。グランプリ獲りたい!!だから獲るまでやめないしあきらめない。 変なテンションで支離滅裂だけど、とにかく目一杯悔しがってめちゃくちゃうらやましがって、それを少しでも次回への力に代えられるようにするしかない。


話はかわるけど、明日はニンテンドースイッチの発売日。そしてゼルダの伝説最新作の発売日。当然予約済み。本当は何らかの賞を受賞して賞金でGETするつもりだったけど、しかたない。何が言いたいかというと冒険の旅に出るとブログが放置になるってこと。まあいままでもほぼほぼ放置だったけど・・・。

で、長くなるけどこのまま協賛企業賞受賞作の感想を。さっきも言ったように知り合いも何人かいるけど、知り合い補正なしの独断と偏見で。あくまで個人の感想なので異論は認めん!!



【アットホーム】 滝本 時生さん


わがままだと思っていたことを、こだわりだと言ってくれた。


ネットの普及で昔とはだいぶイメージ変わったけど、不動産屋さんってやっぱり気軽に入りにくいし、とっつきにくい。ましてや利用する人は大学進学ではじめて上京する人や専門的知識もなくて右も左もわからない人が多いはず。そんな中で、不動産屋さんの方からこういう風に言ってもらえると、利用者としてはとっても安心できるし、自分の希望や意見も言いやすい雰囲気になる。わがまま⇒こだわりへの視点の変換、言い換えに発見があって素晴らしい。



【牛乳石鹸】 長谷川 慧さん


いい匂いがするから、もう少しギュッとしててもいい?


書けない
。オジサンにはどう転んでも書けない。仮に妄想全開で万が一書けたとしてもたぶん出せない。てか出さない。出す勇気がないし選ばれるイメージもできない。とにかく自分には絶対に真似できない。もちろんいい意味で。



【セメダイン】 春山 豊さん

セメダインがあるから、書ける設計図がある。

見た瞬間に「これが言いたかったのよ!!」と声が出た。難しい言葉を使わずに誰にでもわかりやすく、それでいてセメダインでなくちゃできないことがあることを見事に表現してる。しかもこれからの未来を予感させるし夢がある。これぞ協賛企業賞のお手本



【テンピュール】 三上 智広さん

寝ている間くらい、休みなよ。

ひとことでさらりと矛盾をついたコピー。切れ味がある。世の中の多くの人が寝ても寝ても疲れがとれないって感じていて、その人たちに「もしかしたらマットレスのせい?」と思わせる力がある。そして優しさもある。



【ニチバン】 山本(飯田) 朝子さん


お母さんの字は、冷たいけど温かい。


商品の機能が限定されるから、「ちょっと軸をずらさないとかぶるよなぁ~、となるとこの方向性だよなぁ」と自分が思い描いてたコピーを、これ以上ないくらい見事にやられた感じ。少しベタだけどすぐに絵が浮かぶし、あったかいイメージが商品にもふさわしい。



【日本レジストリサービス】 密山 直也さん


日本でいちばんのブランドは、日本です。


以前贈賞式でお会いした時から、勝手にライバルとして目標にしてきた密山さん。わかりやすく何気ない言葉の中に、ハッとさせるような発見や気づきをサラッと織り込んだコピーを書く名人。何度も出題されて「もう切り口いないじゃん」と誰もが苦戦したであろう課題に、あっさりとこれ以上ないくらいのド直球を投げつけてきた。シンプルだけど誰もが納得せざるをえない説得力。贈賞式で会う約束はいつになったら果たせるだろう・・・



【FIXER】 天沢 もときさん


世界のスピードには、残業じゃ追いつけない。


なぜか締め切りを過ぎてもコピーを書き続ける謎の天然キャラの天沢さん。そのモチベーションはどこからくるのか教えてほしい。で、ちゃんと結果も出してる凄い人。漠然とした難しいテーマに『日本=残業』ってキーワードを見つけて、それがいかに時代遅れかをズバッと表現してる世相も反映した社会派コピー。こんなコピーまで書けちゃうなんて、ただの天然キャラではない。



【マスメディアン】 田口 恵子さん


この子のために生きること、は この子のために諦めること、ではない。


今回の協賛企業賞の中で、個人的ナンバーワン
。いやぁ~刺さる刺さる、刺さりまくり。ママじゃなくてもハッとした人は多いはず。働いている母親は少なからず子供との時間を犠牲にしていることに罪悪感がある。でも仕方のない部分もあるし、それはきっと間違いじゃないって誰かに認めてほしい。そのうえで自分の時間だって大切にしたいと思うのは当たり前。子供を言い訳にしなくて済むような労働環境を作るのはまだまだ難しいのが現実だけど、それでも前向きに生きたい母親を後押しする、ちょっぴり厳しいけど優しさもある力強いコピーだと思う。このコピーを見て「あきらめずにやってみよう」と励まされる人はきっとたくさんいる。


この他にも気になる作品はたくさんある。てか、受賞作全部凄いよ、凄い。悔しいけど自分のコピーは遠く及ばなかった・・・。でもファイナリスト作品にはこれらを圧倒的に凌駕する、それこそ次元が違う度肝をぬくようなハイレベルのコピーを期待したい。もう楽しみはそれぐらいしか残ってないから・・・。あ、ゼルダがあるか。


受賞者の皆さん、おめでとうございます!!贈賞式楽しんできてください。


当日は歯ぎしりしながらネット中継を眺めます。ちくしょー





↑このページのトップヘ