宣伝会議賞的にはオフシーズン。某〇〇馬さんのようにマメでも研究熱心でもないので、ブログは絶賛サボリ中。


ちょっとしたことはツイッターでつぶやくだけで済ませちゃうんだけど、ようやくちゃんと書かなくちゃ!!と思うことができました。


それがこれ。




8月5日の「タクシーの日」を盛り上げるため、歩行者や乗客の目に止まるようなフレーズを募集。応募作の中から公益社団法人日本広告制作協会が選んだ50作品がタクシーにラッピングされ都内を走るという企画。


さらにその中から一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会が最優秀賞1本と優秀賞2本を選出。お台場でのイベントで表彰式がある。


自分の書いたコピーが実際に都内を走るなんてまるで夢のよう・・・。こんなんやらずにはいられないっしょ!!そんなわけでとにかく何が何でも上位50本に残ることを目標にチャレンジスタート。


ところがですよ、気合入れてやりはじめたもののいきなり大苦戦。理由は2つ。


ひとつは文字数制限。タクシーのドアに掲載するため、句読点も含めて17文字以内が条件。普段から短いコピーは超苦手。宣伝会議賞でシルバーと協賛企業賞とったコピーもどっちも長い。(なんて自然でさりげない自慢なんでしょう)


はじめっから文字数を意識してると全然書けないので、とりあえず字数はガン無視して思いついたものは全部書きだしてあとから調整することに。コピーの最後には必ず「。」をつける派なんだけど、場合によっては泣く泣く省略。無理やり詰め込みました。


ふたつめは応募要項にあった例題。それがこれ。


例:「車窓より息子の顔見る上京の母」
  「つかの間にひと時、心地よく短眠中」



17文字ってまんま5・7・5だし、これ見たら求められてるのは俳句とか川柳系なんだなぁと思うよね。同じように思った応募者もたくさんいたはず。俳句、苦手なのよね。おーいお茶も全滅だったし・・・。とりあえず俳句っぽいの意識しながらはじめたけど、やっぱりしっくりこなくて全然書けない。


あまりにも書けなさすぎて、逆に開き直った。「要はタクシー観た人が面白いと思ってもらえば何でもいいんでしょ!?」と。そっからは俳句っぽさは一切無視。それで選ばれないなら仕方ない。今思えばこの切り替えがいい結果につながるポイントだった。


応募数に制限はないから「とにかく思いついたもん全部出してやろう」と、いつものようにヘタな鉄砲も数撃ちゃあたる作戦を敢行。最終的な応募数は158本!!数書くのは得意じゃないけど、我ながら結構がんばった。それでも自信作は2~3本。例によって自信あるのはどうせダメだろう。でもこれだけ出したんだから何でもいいから50本に残ってくれ!!!とひたすら祈ってた。




--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------




ラッピングされる50作品は5月末には決定し、応募者には連絡がありました。ラッピングタクシーは7月から走っていて、ツイッターには目撃情報もちらほら。選ばれた人もそれとなくつぶやいてたりしてます。


そしてタイトルで思いっきりネタバレしてるように、最優秀賞と優秀賞が決まったとの連絡がありました。



事務局に確認したところ、公式ページでの正式発表はもう少し先になるとのこと。ただし他の受賞者さんの名前を出さなければ事前に公表してもOKとの許可をいただきました。



ラッピングに選ばれた50本がこちら。

ココロを運ぶ一行タクシー コピー50本決定!































応募者は491名で応募総数は5,598本



もうね、名前を見たら「あの人もあの人もあの人もいるのかよ!!」って思わず口に出ちゃうくらいコピー繋がりの人だらけ。ホントみんなレベル高すぎ高杉くん。


しかしそんな強者どもがひしめく中、なんとなんと3本も選ばれました!!158本中3本だから打率は相変わらず高くないけど、それでも何とかくらいつけてよかった!!


と、喜んだのもつかの間、ひとりで8本も通過してる尋常じゃない化け物を見つけて絶句。しかも全部面白いなんてどんだけチートなのよ。ツイッターでは「〆切当日にこのコンペを知って、15本出しただけで残っちゃった」ってつぶやいてるセンスのかたまりみたいな人もいるし。158も出したなら10本くらい残ってないとダメじゃん・・・。


選ばれた50本を見た段階で、特にこれには勝てないと思ったのがこの3つ。




30.今夜も酔った父が、着払いで届いた。

自分も同じような切り口は考えた。で、見た瞬間「これこれこれが書きたかったのよ」って唸った。『着払い』ってワードセンスには脱帽。





4.母は雷門より僕の会社を見たがった。


エモい。ひたすらエモい。そして東京タワーでもスカイツリーでもなく、『雷門』のチョイスが絶妙。田舎から上京してきた母の様子が目に浮かぶ。これぞまさしく東京物語って感じ。




24.↑↑大切なお客様が乗っています↑↑


コピーの枠を超えてもはやデザイン。ただでさえ文字数足りないのに、矢印入れようなんて発想は絶対出てこない。




もちろん他にも「わかるわ~」とか「やられた」ってのがたくさんある。この時点ですっかり上位入賞はないか~と諦めモード。とりあえず3本に残ったし上出来上出来って感じだった。


ところがまさかまさかの優秀賞受賞。なんかもう信じられなくて、メール見た瞬間鳥肌たった。ミラクルですよミラクル。一応どのコピーかはまだ内緒。まあおおよそ予想はつくとは思うけど。


諦めモードとか言っときながら、いざ優秀賞ってことなるとちょっと悔しかったりするのよね、これが。やっぱり金がいいですぅぅぅぅぅぅぅ~って言いたくなる。


授賞式は8月3日のお台場。なんとか休みをねじ込んだので、よほど仕事が忙しくならない限りは出席予定。せっかく東京に行くからラッピングタクシーを探して見よう。やっぱり自分の目で実物見たいし。もし走ってるのを見かけたら写真とって教えてください。ついでにTCC展にも行こうかな。


それにしてもあれだけ書いたのが無駄じゃなくって本当によかった。応募数だけならきっと1番だったんじゃないかと思う。もし全滅してたらしばらくは立ち直れなかったよね。


158本って言うと凄いと思われるかもしれないけど、そのほとんどは普通の人ならボツにするようないわゆるクソコピー。本当は少数精鋭の自信作で勝負したいし、それで結果が出せたらカッコいい。けどコピーを書く力はまだまだだし、選ぶ力はもっとない。応募制限がない以上、とにかく全部出すのが今の自分がベストを尽くす方法だと思ってる。審査する方の立場で考えたらクソみたいなコピーを山ほど見せられて迷惑かもしれないけど・・・。


尊敬するコピーライターのひとり、中村禎さんの著書『最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法』「ダメなコピーも書けないやつにいいコピーは書けない。」って言葉がある。しょーもないコピーしか書けなくて心が折れそうなときには、いつもこの言葉を思い出してる。


百聞は一見にしかず。今回応募した158本を特別に全部見せちゃいます。特別っていうほどたいしたもんじゃないし、どちらかというと公開処刑に近いけど・・・。「よくこんなん出せたな」ってドン引きするかもしれません。でもこれらすべてのコピーがなければ今回の結果はきっと出せなかったから、どんなにクソコピーでも無駄なものはひとつもない・・・と胸を張って言いたい!!けどひどいのはホントひどいなぁ。


それでも50本とか100本に1つくらいは「これいいかも?」ってのが出てくるもんなんです、きっと。そう信じてないとチャレンジし続けられないので。


またいい結果を出して、ちゃんとブログで報告できるようがんばります!!

ココロを運ぶ一行タクシー応募-9ココロを運ぶ一行タクシー応募-8ココロを運ぶ一行タクシー応募-7ココロを運ぶ一行タクシー応募-6ココロを運ぶ一行タクシー応募-5ココロを運ぶ一行タクシー応募-4ココロを運ぶ一行タクシー応募-3ココロを運ぶ一行タクシー応募-2ココロを運ぶ一行タクシー応募-15ココロを運ぶ一行タクシー応募-14ココロを運ぶ一行タクシー応募-13ココロを運ぶ一行タクシー応募-12ココロを運ぶ一行タクシー応募-11ココロを運ぶ一行タクシー応募-10ココロを運ぶ一行タクシー応募-1ココロを運ぶ一行タクシー応募-16