【第53回 宣伝会議賞】 日本最強の一行は誰だ。

宣伝会議賞の欠点のひとつは、締め切りから結果発表までの期間が長すぎること。まあ応募総数が53万とかフリーザ様並なのでしかたないちゃしかたないけど、もう少し短縮できたらいいのに。あまりに時間があきすぎちゃって熱が完全に冷めて忘れたころに発表があるもんだから、イマイチ盛り上がりに欠けるのよね。

締め切り後1週間で宣伝会議賞に関するつぶやきはほとんど見かけなくなって、自分をはじめブログで反省してる人がちらほらいるだけ。チャレンジブログも更新されないし(しかも更新されてもわからないし)、学生チャレンジ企画とやらは、もはやリア充たちの飲み会の口実に使われてるだけな気がする(うらやましくなんかないもん・・・)。今回から突然始まった芸人チャレンジ企画も、参加芸人を知らないどころかそんな企画をやってたことすら知らない人のが多いと思う。そもそもただでさえ「広告コピーじゃなくて大喜利だよね」なんて揶揄されてるのに、わざわざ芸人を参戦させる意図がよくわからない。それで応募数が劇的に増えるとは思えないし、話題になるとも思えない誰得企画。これで芸人さんが受賞したら、結局コピーって上手いこといえばいいのねってことになっちゃう気がする。もちろん何とか盛り上げようとしてるのはわかるんだけど、もっと他に力を入れるべきところがあるんじゃないかと(審査システムの整備や円滑化とか)

【課題4】 エヌ・シー・エヌ

「耐震の家」をより多くの人に伝えるためのアイデア


応募数50本  期待度★★

コピーを考えるにあたっては、その商品の知名度や認知度によって訴求方法やポイントがかわってくる(コピー本の受け売りです)。宣伝会議賞でも大まかに①すでに名前や使い方が認知されてる商品②一般的にはまだ知られていない商品に分類できる。今回で言えば①はアットホーム・食べログ・牛乳石鹸・セメダインなど。②はチアシード・クマリフト・vingleなど。もちろん個人の印象で多少の違いはあるだろうけど。

①は一から説明する必要がないので、その商品をとりまくストーリーなど少し距離が離れた表現が可能。②はまず第一に商品そのものの説明に重点を置く必要がある。

で、今回のエヌ・シー・エス。社名はもちろん初耳。「耐震住宅100%キャンペーン」自体も初めて知った。ここまでだったら②に該当する。でも課題である「耐震の家」は、そのネーミングだけで目的や効果が一目瞭然。この点については①に当てはまる。

とまあいかにも分析してます的な感じにしてるけど、結局クライアントが求めてるのは谷山さんのいうところの将軍コピー。キャンペーンのど真ん中にたつ旗印となるコピー。前半戦は何となく奇抜な地震あるあるをメインに考えていたけど、相談室を読んじゃうとやっぱり将軍コピーを目指したくなる。平易なことばでわかりやすく、かつ普遍性と持続性があるコピー。

阪神大震災・東日本大震災を目の当たりにしたことで、多くの人はすでに地震の恐ろしさを十分に知っている。それでも耐震工事が思ったより普及しないのは、もちろん金銭的な事情もあるだろうけど、「自分の家だけは大丈夫」ってどこか他人事のように思ってる部分があるから。かくいう自分も家があり家族があって、しかも必ず大きな地震がくると言われている静岡に住みながら、耐震や防災への意識は一般の人に比べてもうすい・・・。

その必要性はわかっていても、それを行動に移すには至らないって感じは、乳がん検診がテーマだったピンクリボンと通じるところがある。ここは同じように不安や危機感を煽るようなものより、希望を感じるような前向きなコピーがいいと思う。

と、ここまではあくまで理想であって、実際にそれを作る力量は残念ながらあるはずがない・・・。何をどういっても「これ絶対誰かとかぶるよなぁ」って既視感ありありのコピーしかできず。ピンクリボンより身近でターゲットが限定されていない分、本数だけはわりと書けた。ただ取り組みやすさとコピーの完成度が比例してない。結局手ごたえのあるコピーはできず、50本出したものの1次通過すら難しい気がする・・・。