気づけば3月もおわりですね。その割にクソ寒い。おかげで仕事が忙しく、そのうえゼルダで超忙しいので更新が遅くなりました。
第54回宣伝会議賞が、その幕を降ろしました。40万2986点の頂点、栄えあるグランプリは・・・
子どもが苦手なものは一度揚げてみる。 平山瑞帆さん
日清オイリオグループ / 日清オイリオの食用油を使って、揚げ物をつくって、おいしく食べて、元気になる!そんなキャッチフレーズ
いやぁ~、共感もできるし愛情も感じられるし商品イメージにもマッチしてるしで、文句なしの素晴らしいコピー。予想ははずしちゃいましたが一応コピーゴールドには推してたので、ほぼほぼ当たりってことにしときましょう。それにしても予想が的中したのはCMゴールドとシルバー7本中たったの3本。まさか眞木準賞まではずすとは、見る目がないにも程がある。予想されたら受賞できないデスブログとか呼ばれてそう・・・。
グランプリを見て自分の応募作を見直したらこんなのが。
たまねぎが大嫌いな息子の大好物はオニオンリング。
ほら、なんていうか、まあ全然違うっちゃ~違うんだけど、何となくこう、言わんとしてることの方向性は似てるというか、そんなに大きく的ははずしてないじゃないかな~なんて思ったりしたりして…なんかゴメンナサイ。
似たような切り口でも表現の仕方でその差は歴然。嫌いと好きの対比ありきで無理やり作ったコピーと、実感を元に素直に表現したコピー。どっちが強いかなんて言うまでもない。仲畑さんが総評でおっしゃってたように、今回はちゃんと「地に足がついた」ものが多かった。一見地味だけどちゃんと本質を見極めた機能するコピー。それでいて誰もが書けそうで書けないものばかり。
自分のは「なんとかこの商品を売りたい」ってことより「賞を獲りたい」って気持ちの方が大きくて、「センスあるね」って誰かに褒められたくて書いてるから、独りよがりの浮足立ったコピーになってる。と結果を見てからなら何とでも言えるんだけど、応募期間中は「上手いこと言えた!!」とついつい調子に乗ってしまう。もう何年も応募してるのに、毎年同じ過ちのくり返し。まったく父ちゃん情けなくて涙がでらぁ。
今年から始まった中高生部門。初回なので応募数は思ったより多くなかったけど、どれも勢いがあって新鮮だった。コピーの文法にとらわれずに、まさに今回のキャッチコピー『ジブンだけの言葉。ジブンだけの自由。』にふさわしい作品ばかりだった。
息子が中学生なので、名前を借りて応募しようかと思ったけど出さなくてよかった~。まったく勝てる気がしないもん。コピーはこういうもんだって変な先入観がない分粗削りだけど素直でまっすぐ。そして余計な計算や打算がない。中途半端な知識で頭でっかちになってる自分には、もう一生書けそうにない…。
とはいえ、ないものねだりで嘆いてばかりいても仕方ない。センスや語彙力は圧倒的に足りないくせに、余計な知識と雑念だけはあり余ってる。それでも持ってるカードで何とか戦っていけるようにしないと・・・。
とりあえずSKATは予約した。傾向と対策にとらわれるなってのは重々承知。それでもコピーの面白さを教えてくれたのはSKATだし、間違いなく宣伝会議賞のバイブル。そういえば前回のはほとんど目を通さなかったなぁ。今回はガッツリ読み込もう。
そしてもう1冊、間違いなくコピーのバイブルになる本が出た。もちろん速攻買って速攻読んだ。
中村禎さんの著書
『最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法』
すでにコピーライターさんをはじめいろいろな方が書評を書かれているようなので何番煎じになるかわからないけど、一言で言うととっても大切なことがとってもわかりやすく書いてある。もうね、ズバズバ刺さる言葉のオンパレードですよ。思い当たるフシがありすぎて、自分のために書いてくれたんじゃないかって思っちゃう。そのひとつひとつがヒントと勇気をくれる。コピーのテクニック云々以前に、どれだけ相手のことに思いやることができるか?という当たり前だけどついつい忘れがちな人としての根っこの部分の大切さを再認識させられました。
だからこそコピーライター志望の方だけでなくサービス業全般、それ以外の業種の方が読んでも絶対にためになると思う。中村さんとは2回ほどお会いする機会に恵まれましたが、とにかく優しくてとにかく熱い方でした。この本にはそんな中村さんの人柄そのものが表れている。で、藤色が上品でとってもキレイ。
本当にものすごくわかりやすいので、読んだだけでいいコピーが書けるような気になっちゃいます。でも、ライバルたちも当然読んでるわけで。何度も何度もくり返し読み返し自分の中に落とし込んで、それを実践できないと本当のレブルアップにはつながらない。次回に向けて何をしたらいいか迷っていたけど、ひとつの道しるべができました。とにかく後悔しないよう、チカラを出します。