宣伝会議賞のすすめ

国内最大の公募広告賞「宣伝会議賞」を通じて、キャッチコピーの魅力を少しでも多くの人に伝えたいと願う素人メタボ親父のブログ。 目標はグランプリと100万円!!そして『日本一コピーのうまい葬儀屋』を目指します。

カテゴリ: 第55回宣伝会議賞



2次会終了直前、贈賞式に参加していたメンバーからまさかの合流希望の連絡が。貴重な話を聞けるチャンス。もちろん即オッケー。すぐ近くの店に入れることになり、到着を今や遅しと待つ。

以前から付き合いのある2年連続ファイナリストの柴田さんが、ニチバンで協賛企業賞のコジマさん、フェリカネットワークスとマネックス証券で協賛W受賞の郡司さん、キヤノンで協賛企業賞の中谷さんを誘ってわざわざ来てくれた。受賞者は勝ち組同志で朝まで飲んでると思ってたからビックリ。まぁこれも俺の人徳よね・・・そういうことにしておこう

3次会はその4人を含め10名でスタート。スーツでビシッと決めた受賞者からは、明らかな勝ち組オーラが漂ってる。くやうらやましいぃぃぃぃ。とりあえず受賞を祝って乾杯!!話題はもちろん贈賞式のこと。「受賞の連絡はいつ来たか?」とか「何本出した?」とか「リハーサルはどんなことしたの?」とか「中継には映ってなかったけど、あの表紙のアイドルこなかったの?」とか、喰い気味に質問攻め。

郡司さんは以前から宣伝会議賞はもちろん、ラジオCMコンペでも何度も名前は目にしてた。もの凄く腰が低くて、もの凄く物腰が柔らかくて、いい人オーラが溢れた仏のような人だった。以前は伊豆高原で働いていたこともあるそうで、静岡愛にも溢れてた。

コジマさんは贈賞式前から反省会があることを知って、当日抜けられたら合流したいとわざわざ連絡してくれていた。まさか本当に来てくれるとは!!ツイッターでは意識高い系の人をイメージしてたけど、気さくで熱くてやっぱりイケメンだったこのブログを「心のよりどころにしてた」とまで言ってもらえて、恥ずかしかったけどちょっと泣きそうになった。

中谷さんは大学生で一見クールだけど広告の話になるとアツかった。就職のために上京してひとり暮らしを始めたばかりらしい。キヤノンは応募数ナンバーワンの最激戦区だったのに、わずか数十本出して受賞した強者。キヤノンのお偉いさんのツルの一声で決まったとのこと。

柴田さんは2年連続ファイナリストなのに今年も惜しくも賞に届かず。あれだけ色んなコンペで受賞してるんだし今年こそイケると思ったのに、審査員も見る目ないんじゃないの?さすがにガチで凹んでた。それでもすぐに冷静に自分の敗因を分析してたのはさすが。来年は間違いなく受賞するはず。というかさっさと卒業してほしい。

終電間近の時間になり何人かが帰りはじめたころ、柴田さんがスマホを見てポツリとひと言。


「林さんと向井さんがくるかも?」


えっ!?林さんってあの林さん?ウソでしょ!?ただでさえ無駄に高かったテンションがさらに上がった。終電で帰る予定だったのに林さん達がくると聞いて延長?する人も。

数十分後、おふたりが到着。本当に来てくれるなんて!!柴田さんに感謝感謝。だってこんなチャンス二度とないもんね。特に林さんは今年で卒業だし。 さすがにおふたりともかなりお疲れのご様子。そりゃグランプリともなればみんながほっとかないよね。早速「はじめまして、おめでとうございます!!」と挨拶したら、「はじめてじゃないですよ」と返されてしまった。よく考えたらシルバー受賞したときに贈賞式でお会いして名刺交換してた。しょっぱなからめちゃくちゃ失礼なことをしてしまった・・・。

向井さんはオリックスと東京証券取引所で協賛W受賞。その上カスタムプロデュースと東京個別指導学院の2本でもファイナリスト進出。まさに向井無双!!幾度となく名前を拝見してたから「この人があの向井さんかぁ」とため息が出てしまった。

おふたりとも関西出身なのでノリがめちゃめちゃよくて、とにかくトークが面白い。2人の掛け合いはまるで漫才コンビのようで、テンポが良くてボケもツッコミもうまい。ちょいちょい挟む宣伝会議賞へのブラックジョークがツボ過ぎた。でも時々確信を突きすぎていて笑えなかったして・・・。

グランプリのコピーは特に自信作だったわけでもなく、まさか名前が呼ばれるとは思ってなかったらしい。同じ課題ではもうこれ以上のものはないくらい、シンプルながら核心を突いたとてつもないコピーだと思うのに、ご本人的にはそんなに納得してないって話にびっくり!!理想というか自分に課してるハードルがめちゃめちゃ高いんだなぁ。

そんな林さんでも毎回気合い入れて出してるのに全然1次通らない課題があるらしいと聞いてホッとした。ちなみにピンクリボンも全然ダメらしい。フフフッ、ちょっぴり優越感。スカパーのコピーも褒めてもらえてうれしかったなぁ。どさくさまぎれに恥をしのんでクレディセゾンの応募作を見てもらったけど、やっぱりノーリアクションでした・・・。

その後も柴田さんの秘蔵のデータ集を見せてもらい、そのあまりの精密さと膨大な量に感心を通り越してドン引きしたり、林さんの卒業する今だから言える宣伝会議賞の裏話や、「そこまでしてるんだ!!」と鳥肌が立ってしまうほどの宣伝会議賞攻略法まで、とてつもなく貴重な話をうかがうことができた。できるならその場にいた俺以外の記憶を全部消したい。

やっぱり常に結果を残す人たちはみんな、その実力は言うまでもなく、それに胡坐をかかず人の何倍もの凄い努力をしていた。でも参考にするどころか、とても真似のできるようなレベルではない。どうやっても埋められそうにない圧倒的な差に、希望を見出す前に絶望を突きつけられた感じ・・・。これは本当に1から、それこそ10年計画でも立てて取り組み方を変えないと、グランプリなんて一生手が届きそうにない。

結局店の閉まる朝5時まで飲み明かし、その後は始発待ちの中谷さんと24時間営業の喫茶店で2人で語ってた。授賞式には出られなかったけど、新しい出会いと刺激に溢れた本当に楽しくて最高の1日だった。同じ目標を持つ仲間が増えたのは心強いけど、同時に倒すべき強力なライバルも増えた。みんなと授賞式に行きたいけれど、誰にも負けたくないと思った。こんな素敵な仲間に恵まれて、自分は本当に幸せものだと思う。でも、もっと幸せになるためにも、死にものぐるいでてっぺん目指さないとね!!



「林さんのコピーが見れなくなるのは寂しいなぁ」と誰かが言ったときの、林さんのひとこと。




「でも僕のコピーはSKATに必ず載りますから・・・。歴代グランプリとしてね」








眞木準賞が受賞取り消しになり、該当なしになりました。この件で言いたいことがクソほどあるのですが、それは後日あらためて・・・。


もはや誰も興味なさそうですが、前回の続き。えーと新宿のネットルームに入ったところからね。


授賞式の中継、「うおっ」とか「すげぇ」とかひとりで奇声をあげながら見ました。中高生部門のグランプリの女の子。コピーは言うまでもなくとっても素晴らしいのですが、さらにその受賞コメントがすごい。いくら考える時間があったとはいえ、あの舞台上で緊張した様子もなくサラっと言えちゃうメンタルの強さ。何かもうキラキラして眩しすぎて直視できない・・・。アオハルかよ!!

大人部門。まずは協賛企業賞。コピーがどうのより、オクーさんがイメージ通りのジェントルメンだったのと、コジマさんがやっぱりイケメンだったことに興奮してた。ファイナリストはぶっつけでの発表。最初は一生懸命メモってたけど、あまりに早すぎて途中であきらめた。どれも自分じゃとても書けないものばかり。次元が違いすぎて、悔しいとすら思えなかった。そんなことじゃイカンのだけれども・・・。


虎の門ヒルズで勝ち組が華やかなパーティーをやってるころ、歌舞伎町の小さな居酒屋で負け組の反省会がひっそりスタート。お久しぶりの人と初対面の人、合わせて11名。オープニングに何を言おうか電車の中でいろいろシミュレーションしてきたのに、例によってグズグズのままとりあえず乾杯!!

序盤はみんな緊張してるので、ここで場を和ませるために秘密兵器「SSMT」を投入・・・したんだけどいまいち喰いついてこない。なんかこう、もうちょいリアクションあってもいいんじゃない?アイカツのゲームをエサに娘を説得して写真撮るの、結構たいへんだったのよ。

とりあえずひとりずつ簡単に自己紹介。同じように宣伝会議賞のブログをやってる人やヒューマンビートボックスをやってる人がいたり。年齢も職業もバラバラだけど、みんなコピーが好きなのは一緒。宣伝会議賞がなければ会えなかったであろう人ばかり。こういう出会いがあるから、なかなか結果が出なくてもやめられないのかもしれない。

これ以上ない共通の話題があるんだから、慣れてきちゃえば勝手に盛り上がってくるわけで。「中継みた?」「今回のグランプリどうよ?」「どのコピーがいちばん好き?」「何本出した?」「全課題やる派?絞る派?」「どれが一番自信あった?」「どんな風に考えてる?」などなどなどなど・・・。お互いに聞きたいことも言いたいことも山ほどあって、時間が経つのがあっという間。さっき始まったばかりだと思ってたのに、店員さんが「飲み物ラストオーダーです」と聞きにきた。えっ!?もうそんな時間???ぜんっぜん話し足りない。

最後に当初予定していた『グランプリ予想大賞』のかわりに『即興コピーバトル』をやってみた。みんなから集めたお題を抽選でひとつ選び、制限時間5分でコピーを書いて多数決で優勝を決める静岡会ではおなじみの企画。お題は『回転ずしに行きたくなるコピー』に決定。スマホのタイマーをセットして用意スタート。それまでしゃべっていた全員が一気に無言のガチモードに。いやいや、ちょっとしたお遊びなんだからそんなに真剣にならなくても・・・。

みんなのコピーを集めてホワイトボードに書き出し、自分以外のいいと思ったコピーにひとり1回手をあげてもらう。どのコピーも甲乙つけがたく、予想以上に票が割れた。結果、初参加の女の子が僅差で優勝!!主催者的にはいちばん理想的な展開でよかった。賞品はエンピツ型トロフィーと、エンピツ型のペンスタンド。気に入ってもらえたみたいでよかった。予想大賞が企画倒れになったときどうしようかと思ったけど、思いのほか盛り上がった。いつもはひとりで考えてるからこうしてみんなでコピーを考えるのは楽しい。

そろそろ店を出なきゃいけない時間。2次会は人数も半分くらいになる予定だったし、場所適当に探せばいいやと思って特に考えていなかった。ところがまさかの全員2次会参加希望。うれしい悲鳴だけど、今からこの人数が入れる店を探すのは難しいし、何より移動が面倒。いちかばちかのダメ元でお店に延長をお願いしたら、こころよくOKをいただいた。なごみ新宿東口本店最高!!そんなこんなで2次会に突入。

2次会からお久しぶりのSさんが遅れて登場。仕事がかなり忙しい中、それでも是非にと来てくれた。これで12人中5人が受賞者もしくはファイナリスト経験者。よく考えたら結構豪華メンバーよね。一応反省会の名目なので、お互い今回応募したコピーを見せあうことに。

自分は全コピー653本を持参。でもさすがに1次すら通過してないコピーを見せる勇気がなくて、複数通過したキヤノンとクレディセゾンだけいいと思うコピーにチェックをしてもらうことに。クレディセゾンには全応募作中No.1の自信作がある。そりゃグランプリのコピーと比べたら月とすっぽんどころか、全銀河系とミジンコくらいの差はあるけどさ。それでもひとりくらいは印をつけてくれるんじゃないかなぁ~・・・なんていう淡い期待は木端微塵に。やっぱり致命的に見る目がないらしい。

で、ここでみんなのリクエストで急遽2度目のコピーバトル。こんなこともあろうかと用意しといた予備の賞品「ラインプリペイドカード1000円分」。抽選の結果、お題は『選挙に行きたくなるコピー』。わりと定番課題なので振り切ってやろうと悩んだけど、5分では何も思いつかず結局超無難で真面目なありがち路線。絶対ないなと思ってたのに、これがまさかの優勝。やっぱり見る目がないらしい。

自分で買った賞品を持って帰ってもしょうがないので3回戦突入。お題は『もう1杯注文したくなるコピー』。今度こそみんなが唸るような気の利いたコピーを目指す。いい感じかなと思ったけど一歩及ばず、優勝は初参加の別の女の子。うん、またしても理想的。ヤローじゃなくて結果オーライ。

そのあとも店員さんに写真を撮ってもらったり、コピー以外の話をしたり。なかなか席替えができなくてゆっくり話せなかった人もいたけど、とにかく楽しかった。最後に用意した粗品もおおむね好評の様子。なかなか参加者が増えなかったり、いろいろ想定外のこともあって準備もバタバタしたけど、やっぱりやってよかった。反省会のはずが、結局誰よりも楽しんでしまった。全体的には大成功だったんじゃないかな?そう信じたいけどどうだろ。またやりたいと思ったけど、反省会が恒例になったら困るからもう2度とやらない方向で・・・。

ライングループも作ったし、同じ目標を目指す仲間と同時に、負けられないライバルが増えてしまった。次はこの中の誰かが、できれば全員で、いや俺だけでいいから虎の門ヒルズに行けますように・・・。反省会の幹事は誰かにお願いして、自分はスペシャルゲストとして3次会あたりから合流します。


さてまだまだ夜はこれから。これからどうしようかと悩んでいると、まさかの勝ち組メンバーから合流希望の連絡が・・・


























毎年授賞式の日は必ず休みを入れています。もちろん連休で。なぜかって?だってファイナリストの連絡が来てからじゃ休みとれないじゃん!!で、毎年ひとりパソコンの前で授賞式の中継を見るのがここ数年のお決まりパターン。


今年も年明け早々に、授賞式が開催されるであろう3月の第1週の金曜日、そしてその日は朝まで飲むことを想定し次の土曜日に休みを入れました。今年はさらに行く気マンマンで、メガネも新調してみた。さてと、これで準備万端、あとは受賞連絡を今や遅しと待つばかり。



2月中旬

さすがにもう協賛賞は連絡済だよなぁ。でもまあ自信作は協賛賞向けじゃないしね。ファイナリストの可能性はまだ残されているはず。



2月25日


やっぱり今年もダメだったか・・・・。でも確か去年のファイナリスト連絡はかなり遅かったって聞いたような・・・。まだワンチャンあるかも!?




3月1日




2次すら通ってねぇじゃねえか!!





また今年もひとりで中継を見るのはあまりにツラい。かといって休みを取り消して仕事をする気力もない。結果、飲もう!!飲んでる場合じゃないけど飲まなきゃやってられん!!あんまり飲めないけれども。とりあえず同じく負け組の仲間に声をかけてみた。


当初は気心の知れた3~4人で集まるつもりだったけど、いつものメンバーだけじゃいつもと同じ愚痴を言っていつもの感じで終わりそう。ここは何かしらの刺激がほしい。そこでまずはツイッターで告知して、参加者を募集することに。あんまり人数多くてもじっくり話せないし、とりあえずMAX10人を目安に募集開始。


自分で言うのもなんだけど、宣伝会議賞のブログとしてはわりとメジャーな方じゃないですか (最近はすっかりヒヒ馬さんのブログにすっかり人気を奪われてるけども・・・)で、ツイッターもそれなりにフォローしてもらってるわけですよ。さすがに参加希望者が殺到するよなぁ。あんまりきても断るのは申し訳ないし、どうしよう。そしたら15人までにしようか・・・なんて思ってた時期もありました。






ぜんっぜんきやしねぇ!!!!(泣)






ツイッターで告知したわずか数分後、早速リプあり。まいったなぁ、この分じゃとてもさばききれないぜ。ところがその後まったくリアクションなし。そもそも最初のひとりも都内在住の静岡会のメンバーで完全なご新規さんじゃないし・・・・。翌日2人目の参加希望がきたもののその後は沈黙。


思ったより喰いついが悪いので、ブログでも告知してみた。けど予想以上に反応がうすい。よく考えてみたら見ず知らずのオッサンの飲み会に参加するって勇気いるよね。逆の立場なら知り合いでもいなきゃ行かないもんね。まあ6人いればいっか・・・、と思わぬ不人気に若干テンション下がり気味。


が、ここで男性だと思ってた2人目の方が女性だと判明(←ここ大事)時を同じくして新たに女性からの参加希望が!!(←ここ超大事)一気にテンションUP。もうこれだけで充分でしょ。いやもちろんたとえ女性が誰もいなくても全力でおもてなししますよ、俺は。


その後なんだかんだ(他は全員ヤローなので省略)で、なんとか目標の10人達成。ファイナリストが発表されずヤキモキしながら、それでもギリギリ準備を終えていざ出発。東京での自分主催の飲み会は3年ぶりなのでちょっと緊張気味。両手に荷物をかかえバカみたいに混んでる山の手線にゆられ新宿へ。着いたと同時くらいに、もうひとり飛び込みで参加希望があり、最終的には11名に。


ひとまずは授賞式の中継を見るために予約してあったのネットルームへ。
















前回のエントリーは贈賞式の文句だけで終わってしまった・・・


今度こそグランプリと気になったコピーの感想を。




【グランプリ】


現金なんて、お金の無駄づかいだ。


受賞者:林 次郎さん

クレディセゾン

生活の100%をカード払いにしたくなった!と思わせるような広告アイデア



「現金ではなくカードを使わせる」って課題は、今までイヤってほどやりつくされてきた。ストレート・カーブ・シュート・フォーク・シンカー・ナックル・チェンジアップ・etc・・・。ありとあらゆる球種で、ありとあらゆるコースが試されてきた。もう誰も見たことないような変化をする新魔球でも発見しない限り勝ち目はない・・・そう思ってたし思い込んでた。このコピーを目にするまでは。

なんの変哲もない言葉でこれといった変化もない。でも『そういえばそうだよね』をピンポイントでぶち抜くど真ん中のどストレートの豪速球。まだこんな表現が残されていたなんて・・・。有無を言わさぬ圧倒的な説得力。シンプルに強い!強すぎる!!100%カード払いにしたくなるって課題に、まさに100%こたえてる。納得のグランプリ。



【コピーゴールド】


「5人に1人。」
抽選なら当たる気がする。



受賞者:柳井 芳文さん


骨粗鬆症財団

骨粗鬆症が自分や身近な人に関わることだと考えてもらえるような広告アイデア


人は基本的に自分にとって都合の悪いことは受け入れない。例えば交通事故とか火事とか地震とか泥棒とか病気とか、マイナスな未来に対しては何の根拠もないのに「自分だけは大丈夫」って変な自信をもってる。

逆に都合のいいいことは信じたくなる。占いだっていいことしか信じないし、通販番組の大げさな演出を間に受けて買っちゃうし、明らかにあやしい儲け話なのに詐欺にひっかかる人があとを絶たない。

だからただ単に『骨粗鬆症は「5人に1人」かかります』って言っても全然響かない。でもそこにあえて逆のポジティブな要素を付け加えることで、他人事を自分事として考えさせることに成功してる。人間の心理を利用した巧みなコピー。



【CMゴールド】


子ども:なんで、うちはCSPなの?
父:業界3位だぞ。
子ども:1位がいいよ。
父:1位は、200万件も守っているんだぞ。同時に襲われたら、守ってくれそうにないだろ。
NA:業界3位。セントラル警備保障。



受賞者:石原 佳典さん


セントラル警備保障

CSPセントラル警備保障の全国での認知度を向上させるためのアイデア


これ大好き。ホント好き。少し前に自虐系コピーが流行ったけど、これもそのカテゴリー。お父さんの謎理論の謎の説得力。絶対ありえないんだけど、想像したら確かに3位の方がいいかも?と思わされてしまった。さりげなく1位のセコムをディスってる?とこも上手い。



【眞木 準 賞】


ねぇ、鈴木くんくん。

牛乳石鹸共進社

「カウブランド赤箱」をフラッグシップブランドとして持つ牛乳石鹸共進社株式会社の企業キャッチフレーズ



コピーは本当に素晴らしい。こんなに短いのにとってもにチャーミング。絵が浮かぶからテレビCMとかもありかも?こんな発想自分じゃ絶対出せっこないし、誰もが簡単に思いつけるわけがない。まさしく眞木準賞にふさわしいコピー。








コピーはね・・・





【シルバー】


お客さま、このままだと、
いいお客さんですよ。



受賞者:野田 正信さん


セゾン自動車火災保険

"なんとなく"で自動車保険を選んでいる人たちに、「おとなの自動車保険に加入したい!」と思わせる、キャッチフレーズ


中継を見てて思わず「うまいなぁ」とうなった作品。皮肉がきいてて、それこそおとな向けのオシャレなコピー。このセンスがうらやましい・・・。



【シルバー】


AIから仕事を奪ってください。



受賞者:眞木 雄一さん


ヤフー

Yahoo! JAPANに入社したくなるようなコピーを募集


グランプリ候補だと思った作品。広告コピーは時代を映すって言うけどまさにそれ。近い将来AIにとってかわられてなくなる仕事が出てくるって話題になってる。そのAI事業をけん引しているであろうYahoo! JAPANに、あえてこれを言わせることでインパクトがさらに増してくる。ゼクシィが「結婚しなくても幸せになれる・・・」っていうコピーを出したのを彷彿させる。



【シルバー】

おじいさんは山へクライミングに、
おばあさんは川へラフティングに行きました。



受賞者:三上佳祐さん


サントリー
デカビタCを飲みたくなるようなキャッチフレーズ、ラジオCM



こういう振り切った遊びごころあるコピーが書ける発想力が本当にうらやましい。自分がいかにせまい枠にとらわれて小さくまとまっているか思い知らされる。50本出せるならこれくらいバカバカしい(いい意味で)のも出せないとダメだよなぁ。テレビCMでもいけそうよね。フリスクっぽくなりそうだけど。





【ファイナリスト】



名古屋まで2駅
大阪まで3駅



受賞者:桐原有輝さん

品川区
魅力いっぱいなのに伝えきれていない品川区を強烈にアピールするアイデア


はじめて見た瞬間、このアプローチは凄い!!と素直に思った。絶対何らかの賞に絡むと思ったから、ツイッターで思わず「大好き」とつぶやいた。よくよく考えると品川区というより品川駅のコピーだし、品川駅は港区だし・・・といろいろ粗いところが見えてきた。しかも作ったご本人から「大阪までは4駅でしたw」ってリプライがきた。それだけの欠点がありながらファイナリストまで残ったのは、切り口のアイデアにそれだけインパクトがあったってことだよね。





それにしても、ファイナリストのコピーと受賞者を確認するのに、いちいち中継動画をひっぱりだして探さなきゃならないなんてどう考えてもおかしい。コメントにもあったけど、みんなブロンズ賞にしてちゃんと公式ページに掲載してあげてほしい。


他にも気になるコピーや好きなコピーはあるけどこのくらいで。今年のファイナリストはレベルが高くて面白かった。そんなファイナリストに複数残る人もいるんだもんなぁ。とても追いつける気がしない・・・。


それでもそれでも何としてもたどり着いてやる!!




3月9日、虎の門ヒルズで【第55回宣伝会議賞】贈賞式が行われ、45万8944点の頂点であるグランプリが決定しました。


この日は久しぶりに企画した『宣伝会議賞大反省会』もあり、とにかくとてつもなく濃くて刺激的な一日でした


とにかく書きたいことが山ほどあるのですが、ほとんど寝てない状態で頭がまわってません。とりあえずひとつずつ片づけていきます。


まずはじめに言いたい!!



なぜファイナリストを事前に発表しないのか!!!



いつもなら贈賞式の3~4日前には、ファイナリストにノミネートされた作品が発表されるのが通例。今か今かと待っていたのに前日になっても発表される気配なし・・・。公式ページに何度アクセスしたことか。結局贈賞式の本番でいきなり知らされる形になりました。


どんな理由があったか知らないけど、ぶっつけの発表は完全に失敗でしょうよ。ファイナリストが発表されると、みんなが予想したりしてあれがいいこれがいいとツイッターやブログで話題にして盛り上がるわけですよ。当然このブログでもグランプリ&各賞の予想は恒例行事で、自分自身もめちゃくちゃ楽しみにしてたのに・・・。


おかげでいつものような「どれが選ばれるんだろ?」っていうワクワク感やドキドキ感がほとんどなし。別に自分がファイナリストじゃなくても予想すること自体が楽しいし、選ぶ力を鍛えるトレーニングになる。で、予想したコピーやお気に入りのコピーが受賞すると、自分のことみたいにうれしいもんです。


だいたい贈賞式の中継自体が平日の夕方。仕事だなんだでリアルタイムで見れる人はごくごく限られてくる。それなのに贈賞式に出た人しかわからないようだと、その他大勢の応募者は完全に蚊帳の外で置いてきぼりにされてる気がする・・・。


贈賞式に行けないし中継も見れないけど結果を気にしてる人ってたくさんいると思うのよね。せっかく一年に一度、国内最大の公募賞の頂点が決まる一大イベントなんだから、できるだけ多くの人が楽しめる形にしてほしい。いっそのこと、SNSで一般投票してもらって決める賞を新設するとか、ツイッターでグランプリ予想クイズみたいにして賞金出すとか、注目を集めたり話題になる方法はいくらでもありそうなのになぁ。


それからもうひとつ。こっちのほうが深刻。事前発表がないせいで受賞できなかったファイナリストの扱いがますますひどくなった。ただでさえあの会場まで行って受賞できなかったファイナリストの方はショックが大きい割に扱いが小さい。それでもまだ、いつもみたいに何日か前に発表してれば、じっくりどんな作品か見ることができるし多くの人の目に触れる機会もある。俺はこれが好きだなんて言ってもらえたりすることだってある。たとえ賞にとどかなかったとしても、誰かにとってのグランプリやゴールドになる可能性だってある。


それなのに今回は贈賞式でいきなり発表。しかも次から次にどんどん紹介されるので、どんなやつかすぐに忘れちゃう。コピーはまだいい方で、CMでノミネートした作品なんか小さい字でたくさん書いてあるから、全部読み終えることすらできない。せっかく面白い作品でも全然印象に残らない。


しかも受賞を逃した作品は公式ページに掲載されることすらない。現時点でどこにも掲載されてないから、感想書きたくても正確にどんなものかもわからない。贈賞式の中継がyoutubeで見られるけど、わざわざ見直す人なんていないでしょ?SKATが発売されるまでちゃんと見れないなんて絶対おかしい。45万もの中から選び抜かれたファイナリスト作品は、ほんのわずかな差で賞に届かなっかったってだけで名作なことに間違いはないし、それを作った人はもっともっと讃えられるべきだと思う。


あと、これは超個人的理由でわかる人だけわかってもらえばいいんだけど、いつ発表かわからなくてタイムリミットギリギリまでまったけど、結局『SSMET』は未完成・・・。この日しかできない鉄板企画の『グランプリ予想大賞』も企画倒れ・・・。時間のない中、ページ組も印刷も全然めどが立たないし、どっちでも対応できるように急遽予備企画の準備をしたり、何度も連絡して迷惑かけたり・・・。おかげで死ぬほどたいへんだった。


中継を見てて気になったのがもうひとつ。


受賞作の紹介でなぜコピーを読み上げないの?


確かにモニターには作品が写ってるけど、せっかくプロのアナウンサーが司会なのに、コピー読んであげないの?どうせなら読まれたいじゃん。実際、これまでは読んでたはずでしょ?時間短縮が目的なんだろうけど、協賛社名と受賞者の名前を呼ぶだけじゃあっさりしすぎて味気ない。この日のためだけに遠方から来てる人もいるんだろうし、激戦を勝ち抜いてたどり着いた栄誉ある晴れ舞台なんだから、もっとこう、いろんなことを丁寧にやってほしいなぁ。


贈賞式の愚痴だけでずいぶん長くなっちゃった。各賞の感想はまたあらためて。





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