宣伝会議賞のコピーのポイントを自分なりに分析する宣伝会議賞コピポ
コピポ #1
おかん、うまい。でも、多い。 高崎真梨子さん
(第51回 グランプリ 旭化成 /「サランラップ」 キャッチフレーズ)
記念すべき第1回目のコピポは、前回のグランプリ作品。課題のサランラップは過去に何度も出題され、あらゆる切り口が出尽くした感がある。その中で審査員の圧倒的支持を得てグランプリを獲得したポイントとは・・・。
コピポ① 短い
コピーにとって短いは正義。句読点を除くとわずか10文字。ファイナリスト23作品の中でもかなり短い。余計なものが一切なく、必要最小限の言葉だけで構成されている。そのため目につきやすく、伝わるスピードも早い。
コピポ② リズム感
短いコピーはワンセンテンスの場合が多いが、このコピーは2つの文章でできている。それでもサラッと読めるのは、文字の少なさ以外にも理由がある。前後半の文字数をほぼ同じにして対句的のしたこと。読点を打つことで俳句のようにテンポをよくしたこと。単に短いだけじゃなく、視覚的そして発音的にも読みやすくなるように工夫されている。
コピポ③ 読点の効果
もし短くするつもりなら読点「、」はなくても意味は通じる。でもあえて入れてあるのは、視覚的な読みやすさとリズム感のためだけではない。読点を入れることでその直後の単語が強調され、「うまい」と「多い」により実感がこもった表現になっている。
コピポ④ おかん
個人的に一番すごいと思ったのが「おかん」というワードチョイス。例えば「母さん」や「ママ」や「おふくろ」だとしたら、ここまで響かなかったと思う。「おかん」という方言の持つ空気感が親子の仲の良さをより一層感じさせて、コピー全体の温かさとコミカルさを生みだしている。日常的な会話をそのままコピーにすることで、誰もが共感しやすくなってる。おそらく普段からこの呼び方をしてないと出てこないんじゃないかと思う。もしそこまで計算してのあえてのチョイスだったら「参りました」というしかない。
コピポ⑤ 幸福感
このコピーには思わずほっこりするような幸福感がある。SKAT.13の谷山さん講評にもあるように「すれ違いさみしさ」を切り口とした切ない系コピーが多い中ではやっぱり目立つ。サランラップのもつ家庭的なイメージにもよく合う。切ない系でもいいコピーはたくさんあるけど、できればマイナスよりもプラスイメージになる表現の方がいい。コピーは誰かを幸せにするためにある。
「実家の母がつい作りすぎちゃう」という切り口はこれまでにもあった。誰にでも経験があって共感しやすいから、それほど特別な視点ではないと思う。それでもグランプリに選ばれたのは、これ以上ない短い言葉で「商品の機能」と「商品によって生まれる物語」の2つをちゃんと表現できているから。しかもテンポがよくリズム感があり、目だけでなく耳にも口にも残る。短いコピーが苦手な自分からすると、凄すぎてため息しか出ない。
どうしても新しい視点や斬新な切り口を探すのに必死になってしまうけど、ありふれた石ころでもじっくり磨き続ければダイヤのような輝きを放つ可能性がある。数ばかりにこだわるのではなく、ひとつひとつに時間をかけてもっともっと試行錯誤しないと強いコピーはできないことを改めて実感しました。
宣伝会議賞コピポ、とりあえずこんな感じであることないこと、独断と偏見で勝手に分析していきます。ひょっとしたら全然的外れなのかも知れないけど・・・。いつかこんなに素晴らしいコピーが書けるようになるまで。
コピポ #1
おかん、うまい。でも、多い。 高崎真梨子さん
(第51回 グランプリ 旭化成 /「サランラップ」 キャッチフレーズ)
記念すべき第1回目のコピポは、前回のグランプリ作品。課題のサランラップは過去に何度も出題され、あらゆる切り口が出尽くした感がある。その中で審査員の圧倒的支持を得てグランプリを獲得したポイントとは・・・。
コピポ① 短い
コピーにとって短いは正義。句読点を除くとわずか10文字。ファイナリスト23作品の中でもかなり短い。余計なものが一切なく、必要最小限の言葉だけで構成されている。そのため目につきやすく、伝わるスピードも早い。
コピポ② リズム感
短いコピーはワンセンテンスの場合が多いが、このコピーは2つの文章でできている。それでもサラッと読めるのは、文字の少なさ以外にも理由がある。前後半の文字数をほぼ同じにして対句的のしたこと。読点を打つことで俳句のようにテンポをよくしたこと。単に短いだけじゃなく、視覚的そして発音的にも読みやすくなるように工夫されている。
コピポ③ 読点の効果
もし短くするつもりなら読点「、」はなくても意味は通じる。でもあえて入れてあるのは、視覚的な読みやすさとリズム感のためだけではない。読点を入れることでその直後の単語が強調され、「うまい」と「多い」により実感がこもった表現になっている。
コピポ④ おかん
個人的に一番すごいと思ったのが「おかん」というワードチョイス。例えば「母さん」や「ママ」や「おふくろ」だとしたら、ここまで響かなかったと思う。「おかん」という方言の持つ空気感が親子の仲の良さをより一層感じさせて、コピー全体の温かさとコミカルさを生みだしている。日常的な会話をそのままコピーにすることで、誰もが共感しやすくなってる。おそらく普段からこの呼び方をしてないと出てこないんじゃないかと思う。もしそこまで計算してのあえてのチョイスだったら「参りました」というしかない。
コピポ⑤ 幸福感
このコピーには思わずほっこりするような幸福感がある。SKAT.13の谷山さん講評にもあるように「すれ違いさみしさ」を切り口とした切ない系コピーが多い中ではやっぱり目立つ。サランラップのもつ家庭的なイメージにもよく合う。切ない系でもいいコピーはたくさんあるけど、できればマイナスよりもプラスイメージになる表現の方がいい。コピーは誰かを幸せにするためにある。
「実家の母がつい作りすぎちゃう」という切り口はこれまでにもあった。誰にでも経験があって共感しやすいから、それほど特別な視点ではないと思う。それでもグランプリに選ばれたのは、これ以上ない短い言葉で「商品の機能」と「商品によって生まれる物語」の2つをちゃんと表現できているから。しかもテンポがよくリズム感があり、目だけでなく耳にも口にも残る。短いコピーが苦手な自分からすると、凄すぎてため息しか出ない。
どうしても新しい視点や斬新な切り口を探すのに必死になってしまうけど、ありふれた石ころでもじっくり磨き続ければダイヤのような輝きを放つ可能性がある。数ばかりにこだわるのではなく、ひとつひとつに時間をかけてもっともっと試行錯誤しないと強いコピーはできないことを改めて実感しました。
宣伝会議賞コピポ、とりあえずこんな感じであることないこと、独断と偏見で勝手に分析していきます。ひょっとしたら全然的外れなのかも知れないけど・・・。いつかこんなに素晴らしいコピーが書けるようになるまで。